学名

Furcula属修正。

仕事が詰まってくる前の今がチャンス。トプセルもボチボチやっているのだが,HPも進めなければならない。 というわけで,Furcula属の修正。 ホシナカグロモクメシャチホコの命名者訂正。そのボルクハウゼン Borkhausen の原記載文を読んだが命名に関わる記…

Zaranga属更新。ウォーターハウスの図鑑。

久しぶりのブログ。生きていたのか死んでいたのか。自分ではよく分からない期間が続いていた。表向きは生きていたようである。でも油断はできない。 11月後半から精神の糸が切れていて,精神の粒のようなものがブラウン運動的な状態にあったようだ。冬の前…

エゾヒグマの分類。Hastina属・Euhampsonia属修正。アオセダカシャチホコの図版。

今は大学も営業が大変である。教授たちが研究に専念できるご時世ではないらしく,昨日は北見の高校で北海道大学の宣伝のための出前模擬授業があった。本来招かれざるわたしが,顧客である高校生に混入して,しかも一番前の席を陣取って何か質問してやろうと…

Togepteryx属調べ直し。松村松年におけるタテスジシャチホコの標準和名の混乱について。

HPのシャチホコ修正中.Togepteryx属の調べ直し。 どんどん面倒な事案が発生する。 タテスジシャチホコの属名の原記載は,松村松年, 1920, 動物学雑誌 32 379: 149 (PDF)。 すると,こう。 (二三) ハガタエグリシャチホコ Togepteryx (n.g.) velutina OBT…

Clostera命名者のSamouelleについて。シャチホコ書き直し中。

シャチホコガ科の幾つかを修正してうpし直し。 Clostera属について,その属名命名者のGeorge Samouelleの記事が英独をはじめとして5カ国語のウィキペディアに載っている。日本版はこういう分野では全然ダメ。 誰も翻訳しないのはいかがなものなのかはとも…

HPの記事書き直し中。

ご無沙汰でした。 考査期間になると機能が停止して,復旧までしばらくかかる。現役時代に自分が試験を受けるのはまったく平気だったのだが(午前で終わるので嬉しかった),試験対策をやって打ち合わせをして試験問題を作って印刷して試験監督をやって採点し…

Macaria 属の周辺とか。

HPにばかりかまけていて,せっかく送ってもらっている画像を紹介できずにいる。ナミシャクに入りたいのだが,エダシャクがまだ終わらないのである。ムーアもモフェットもとりあえず飛んでいる。 以下エダシャク。画像追加分(細かな記述手直し・訂正は他に…

vittaria をめぐる迷走。

twitterにあげた内容のまとめ直し。相変わらず学名のHPいじりである。もうほとんど実体としての蛾からは遠ざかって,記号と文献の世界に浸かりきっている。 インド産の蝶の研究者Mooreについて,おそらく標本ばかりで,自分が扱っている蝶の生態なんて見た…

フユシャク亜科 Inurois の解釈私案。

シャクガも残るはフユシャク・ナミシャク・ヒメシャクである。まずフユシャクから始めようと思っている。フユシャク亜科は日本には2属しかいない。Alsophila と Inurois。後者の方が種数が多い。とりあえず調べ始めて,Inurois でつまずいた。 最も頼りにし…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(追記・メモ2/2)

本編(1)・追記(1) 『インドの鱗翅目 Lepidoptera Indica』第7巻,p.119の註は,前回書いたように,スウィンホーによる引き継ぎの挨拶である。 ムーアの業績賛美や人柄の回顧については本項ではカット。わたしにとっては優先順位が高くない。思想と人…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(追記・メモ1/2)

本編(1) すじ肉を煮込んだり,コンピュータ将棋をネットで見ていたりして原稿書きができなかった。 いろいろなことは明日。 ムーア『Lepidoptera Indica』の補足。 やっと見つけた。『Lepidoptera Indica』は第6巻まででムーアが死に,第7巻から はChar…

Phthonosema属更新。

HP更新。Phthonosema属。 昨日が「参観授業」で仕事だったので,今日は振替休日になった。例年通り2月3月は神経がボロボロだったが,これも例年通りに4月は「やや元気」な状態が今のところ継続している。朝から雪が降っている。車を出して灯油を買って…

Phthonandria属更新。

HPでPhthonandria属更新。http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Phthonandria.html 。 エゾウスクモエダシャクの「emaria」が河川名だったことが収穫。 あまりつまらないので久し振りにようつべを貼ろう。 「宵に叶わず」。こういうのは好きなんだけ…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その20/20)

(1) ・・・ (19) ムーアについては,かつて記したように,日本ではほとんど知られていない。19世紀の博物学に関する翻訳書が幾冊も出ているが,そこにムーアの名前が現れることはない。この事情は海外でも同じらしく,彼のことに触れている本がさっ…

HP更新。Peratophyga属・Petrophora属・Phanerothyris属・Phigalia属。

HPを更新。 Peratophyga属。 クロフヒメエダシャク。調べてみると未見だった。ありふれた蛾に思えたのだがなあ。命名者のKollarはこの蛾をIdaea属に分類している。Idaeaといえば,例のヒメシャクの類いである。ベニヒメシャクの色違いに見えないこともない…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その19)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15)・(16)・(17)・(18) というわけで,「Lepidoptera Indica」の記載リストの貼り直し。こんなに「L_I」に…

Parectropis属更新。シロモンキエダシャクやらハフナゲルやら小麦粉やら。

HPのParectropis属更新。http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Parectropis.html 何のことはないParectropis similaria(シロモンキエダシャク)であるが,今回(わたしにとっては)新しい発見。 かつてブログに書いたように,「similaria」を「simil…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その18)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15)・(16)・(17) 『Lepidopera Indica』はムーアの死によって中断された本である。ムーアが6巻まで。7〜10…

Pachyerannis属・Pachyligia属・Parabapta属・Paradarisa属・Pareclipsis属更新。

三連休じゃなくて明日明後日は出勤サービス時間外だから,休日。 今日は虫のことしか考えないぞで,朝からずーっとPC。 Pachyerannis属 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Pachyerannis.html クロスジフユエダシャク。何がobliquariaだか一つも分…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その17)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15)・(16) ずいぶんのご無沙汰でした。だって心身ボロボロだし,仕事は泣きそうなほどだし。 資料読みは少しずつ続…

Ourapteryx属・Oxymacaria属の学名の意味。

HPの更新。 Ourapteryx属 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Ourapteryx.html Oxymacaria属 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Oxymacaria.html ほんとうに久し振りに,家にいられて出勤しなくてかまわない休日。 Mooreの「Thanksリスト」…

Odontopera属・Ophthalmitis属・Orthocabera属追加。エダシャクの大きいのから小さいのまで。

HP更新。Odontopera属・Ophthalmitis属・Orthocabera属。 写真か図版はあった方が絶対にいい。Seitz,The Macrolepidoptera of the world : a systematic account of all the known Macrolepidoptera が図版の宝庫だと今頃知った。他に適当なものがない時…

Ocoelophora属追加。テンモンチビエダシャクについて。

HPにOcoelophora属追加。 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Ocoelophora.html テンモンチビエダシャクなんて未見に決まっていると思っていたが,ブログ検索をかけると1度見ていた。完全に失念していた。 Ocoelophora属がどうにも謎の属で,タイ…

「トゲシャクトリ」調査中。

ごめんなさい。体調ダメ。職場早退したし。 明治31年の文献に「トゲシャクトリ(Nyssia ssp.)」という記述が出てきて,これがクワトゲエダシャク。「Nissia」から調べ直し中。1901年のカタログではすでに属名が「Zamacra」に変わっている。こちらが当…

属名Nyssiodesの意味解釈。およびフチグロトゲエダシャクの和名「トゲ」に関する憶測。

HP更新。「蛾の学名の意味−エダシャク亜科Nyssiodes属」。 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Nyssiodes.html この属で日本に分布するのはあの人気のフチグロトゲエダシャクである。 http://www.biodiversitylibrary.org/item/39816#page/103/mode…

Nothomiza属マエキトビエダシャクの学名の意味。

HPの更新。Nothomiza属の学名読み解き。 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Nothomiza.html 平嶋『生物学名辞典』は蛾分がやや不足なのであまり活躍の機会がないが,とりあえず必ず参照する本。うまいこと「Nothomiza」が載っていたのだが,おかし…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その16)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15) 27.F.A.de Roëpstorff夫人(Mrs. Frederick Adolph de Roëpstorff) →デンマーク人なので名前の発音が分から…

Ninodes属ウチムラサキヒメエダシャク種の学名の意味。

HPの更新。Ninodes属の学名読み解き。 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Ninodes.html あんまり色気がないので,BHLから版権切れ画像を入れることにする。ますます地味になったような気がする。 それにしても命名者は,どうしてこの小さな蛾に…

Myrteta属・Nadagara属更新。クロミスジシロエダシャクのよもやま。

HP更新。Myrteta属。http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Myrteta.html クロミスジシロエダシャクの学名はMyrteta angelica。東アジアの蛾である。 命名者のバトラーはわたしの印象として,あまりひねらないで第一印象で命名する人物である。「汚い…

Myrioblephara属の学名の意味。キバネトビスジエダシャクとチビトビスジエダシャク。

HPの更新。Myrioblephara属の学名読み解き。 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Myrioblephara.html キバネトビスジエダシャクはともかく,チビトビスジエダシャクが少しいわく付き。ProutによるNovitates Zoologicae, v.35, 1929-30, p.335, の解…