仕事始めだけどシャチホコ(13).セダカシャチホコ.アオセダカシャチホコ.

 寒気が入って大雪の予報だが,苫小牧は粉雪が少しぱらついただけ.TVニュースで青森はすっかり根雪状態.
 雪降れ〜.このままでは虫撮りにならない.


 仕事始め.久しぶりに会った同僚は年始の挨拶に先立って,「具合悪そうですね」とわたしに声をかける.心配してくれるのはありがたいのだが,そんな風に見えるのだろうか.
 実際は,薬を増量してから比較的に具合はいいのである.ことによると,死相が出ているのかもしれないなあ.


 というわけで,まだ終わらないシャチホコ.どうだったか忘れかけている面倒なのが若干残っているのでウットーシーのだが,行くところまで行くしかない.
セダカシャチホコ
06年6月29日.セダカシャチホコ.前翅長35mm.
 この時期毎晩のように出てくるシャチホコ.色合いは全然異なっているが,サイズが小型のスズメガくらいある.駐車場で車に轢かれているところまでスズメガと同じである.
 無駄に(?)大きいのでまず間違えない.スレていなければ冠毛が鶏冠のように逆立っている.顔は冠に押されてうつむき.下から見上げて顔面を撮ると,「三角帽子の妖精」のような感じになる.なかなかそういうポジションでとまっていてくれないので,画像はまだ.
 学名は Rabtala cristata .属名はわたしの力では分からない.小種名は「鶏冠のある,(兜の)羽根飾りがある」.和名の「セダカ」も冠毛からの連想だろう.
 台湾のサイト「ガガ昆虫網」を見ると「黄二星舟蛾」となっている.着眼点の相違.「二星」ならカレハガに沢山いそうだ.
 ちなみに,この後者のリンクの2枚目の画像が上記「妖精もの」である.


 次は同属の似た蛾.とはいえ,混同することはまずない.
アオセダカシャチホコ
 07年6月16日.アオセダカシャチホコ.前翅長は31mm.心持ち小さめ.
 セダカよりも珍しい(セダカが珍しくない).内横線と外横線が背中の所で接近するのがポイント.色も全体に黄金色の,いい色の個体が多いようだ.鶏冠のパワーがやや弱い.
 きっと食い物が違うから色が違うのだろうと考えられるが,「みんな蛾」によれば,食草はまだ未確定.
 学名は Rabtala splendida .小種名は「光り輝く」.翅の色からだろう.
 申し訳ないけど,個人的にはアオセダカの方が好き.


 北隆館『コンパクト版16 原色昆虫図鑑』ではさらに「アカセダカシャチホコ(新称)」として琉球列島分布の蛾が載っている.学名を見るとセダカシャチホコのryukyuensis亜種である.
 アカセダカは「List-MJ 日本産蛾類総目録」に登録されていない.「目録」の方が新しいから,詳しい事情は分からないが,どうやらお蔵入りしたものらしい.
 ※追記! 目録作成者のがいすとさんからコメントをいただいた.「あの図鑑には著者が明記されていないなどの問題点があるため、正式な命名と見なすのが難しいのです」とのこと(コメ欄参照).どうもありがとうございました.
 ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー.そういう事情なんだ.
 琉球列島なんてわたしは一生行かない(行けそうもない)なあ.どうせわたしは北海道ローカル@いじけ.いじいじ〜.