2016-01-01から1年間の記事一覧

Macaria 属の周辺とか。

HPにばかりかまけていて,せっかく送ってもらっている画像を紹介できずにいる。ナミシャクに入りたいのだが,エダシャクがまだ終わらないのである。ムーアもモフェットもとりあえず飛んでいる。 以下エダシャク。画像追加分(細かな記述手直し・訂正は他に…

『TINAE』の,シャチホコガ科の亜科分類の最新情報が来たよ。

というわけで蛾類学会から『TINEA』の最新刊が届いた。冬の「みちのく会」で予告があった,シャチホコガ科の分子系統分析のまとめである。 Hideki Kobayasi and Masaru Nonaka, 2016, TINEA 23, Supplement 1 。 シャチホコガ科の324種の脚をもいでDNA…

vittaria をめぐる迷走。

twitterにあげた内容のまとめ直し。相変わらず学名のHPいじりである。もうほとんど実体としての蛾からは遠ざかって,記号と文献の世界に浸かりきっている。 インド産の蝶の研究者Mooreについて,おそらく標本ばかりで,自分が扱っている蝶の生態なんて見た…

エダシャク亜科の修正中。属名と種小名との性の一致について,Biston属確認。

HPの学名ごっこ。次はナミシャクで,リストはもう完成している。現在の北海道のナミシャクは76属214種が決定版だと思う。その前にエダシャクの修正を終わらせないと,ということで連休に作業中。 Alcis属の画像追加。 蛾4種の抜け画像をすべて Seitz…

フユシャク亜科 Inurois の解釈私案。

シャクガも残るはフユシャク・ナミシャク・ヒメシャクである。まずフユシャクから始めようと思っている。フユシャク亜科は日本には2属しかいない。Alsophila と Inurois。後者の方が種数が多い。とりあえず調べ始めて,Inurois でつまずいた。 最も頼りにし…

Maxates属,Mujiaoshakua属,Neohipparchus属,Pachista属,Pingasa属,Thetidia属更新。

これでHPのアオシャク亜科の修正が一段落。 Maxates属 画像3枚追加。Graeser の論文は相変わらず見つからない。ザイツ頼み。 Mujiaoshakua属 これも原記載が見つからない。日本の文献は公開されなさすぎである。 Neohipparchus属 『標準図鑑』で語尾が女…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(5) 蝶蛾の名称について。

さて,これで,ようやくモフェットに入ることができる。 正式な本のタイトルは 『昆虫すなわち,より少さな動物の劇場。かつて,エドワード=ウォットン,コンラード=ゲスナー,トマス=ペニーから始められ,最終的にロンドンのトマス=モフェットの尽力によっ…

Xandrames属・Xerodes属・Zanclidia属更新。

本当はテストの採点をやらなければならないのだが,虫優先。 HPのエダシャク亜科を一応埋めてしまうことにする。 Xandrames属 属名はムーアだということであまり追求しない。分からない確率が高すぎ。 ヒロオビオオエダシャクの“dhol”はこんな楽器。命…

アオシャク修正いろいろ。

(いるとすれば)読み手にはつまらないのだろうけど,HP「yyzz2; 虫画像虫よもやま」の更新情報。 リンクを無理に増やしているのだけれども,コンテンツがどう考えても需要の乏しい,ロングテールな価値を狙ったものなので,記事を何とかグーグルランク上…

Aracima属・Chlorissa属修正。

エダシャクの残りとアオシャクの修正とMoffetとを並行して進めている。今回はアオシャクのHP修正。 Aracima属 HPにあげたように,原記載論文が見つかっておそらく解決。 ちなみに,関係ありとされたThalassodes coelataria (現 Maxates coelataria)の画…

Spilopera属・Synegia属・Taeniophila属。

とりあえずHPの更新を進めていく。エダシャクがあと少しなのである。 Spilopera属 Synegia属 “Synegia”が何を調べても出てこない。経験的にフランス人がギリシアをラテンナイズするときは,近い言語だったからだろうか,発音からの綴り換えの自由度が高く…

yyzz2の夏研修日記篇(前半。7/29〜8/3)。

というわけで,今年の夏季休業はひどかった。教員免許更新の講習と試験のためである。 文科省のHPはこうノタマッている。 目的 教員免許更新制は、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで…

yyzz2の夏研修日記篇(後半。8/4〜8/8)。

8月4日(木) 遠軽。 出勤。茫然と職場で1日を浪費する。休み中に教員を職場に拘束しても,税金の無駄でしかない。家で好きにさせた方がよっぽど勉強する。 8月5日(金) 旭川へ。 いやまあ,悲しいことに出勤。暑い。ましてや進学講習。 生徒6人。志…

Selenia属・Seleniopsis属更新。ウスムラサキエダシャクのこと少し。

教員免許更新講習のネタは後回しにして,HPを優先。 Selenia属 Seleniopsis属 Selenia 属が少しめんどくさい。 まずタイプ種。 一応のタイプはヒューブナーの“Geometra illunaria”であるが,この種をFletcher (1979)はファブリキウス (1775)の Phalaena …

2週間ほど更新できません。

明日から教員免許更新講習に行ってきます。交通費も講習費も何も出ません。完全に自腹です。道東からはるばる札幌や旭川に交通費をかけて何泊もすることと,その費用を考えると目の前が暗くなります。今は町中では1泊1万超えるからね。でも受講しないと罰…

Scionomia属更新。

Scionomia属。 ウスグロエダシャクの類。タイプ種の S. mendica は「乞食の」である。さすがにバトラー先生の命名は容赦ない。 再掲。これは S. anomala。 原記載文は「非常に distinct だが,dull-looking な種である」で締めくくられている。卓見なのだろ…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(4) Index。

迷走しているのだけれども,考えなしに行き当たりばったり調べごとをしているので仕方ない。モフェット(Thomas Moffet 1553-1604)*1の『昆虫の劇場』(1634,死後出版)については発刊まで波瀾万丈の経緯があって,しかも複数の資料提供者たち(Wotton,Ge…

Scardamia属更新。

Scardamia属。 ハスオビキエダシャク。未見である。属名の由来は一つも分からない。例によってフランス訛りの人名の可能性が高いのだが,Gallica を漁っても不明。種小名 aurantiacaria の「aurantiacus」も辞典に全然載っていない。「生物学名辞典」や「動…

クワゴマダラヒトリ。

朝から Moffet の『Theatorum』の目次の訳をやっていて,虫の名前ですっかり嫌になった。 Cantharidos なんかはこちらの常識ではツチハンミョウやらカミキリモドキやらの柔らかい甲虫のことなのだが,そうではないらしい。シラミとダニとダンゴムシをどう使…

番外編。中世におけるワニチドリ伝説の発展について。(4/4)

(1)・(2)・(3) さて,ワニチドリの続き。次は1240年。Bartholomeus Anglicus の『諸物の特性について De proprietatibus rerum』。良きにつけ悪しきにつけ,ルネサンスで広く用いられた百科事典的自然誌本といってよい。 バルトロメウス=アングリク…

Ramobia属・Rhynchobapta属・Rikiosatoa属更新。

バルトロメウについてまとめた原稿を入れたUSBを職場に忘れてきた。一刻も早く帰りたい逃げ出したい一心が生み出したミスである。 というわけで,学名ごっこの続き。グーグル先生は「モバイルフレンドリーでありません」と言って怒っているのだが「固定幅…

Proteostrenia属・Protoboarmia属・Pseuderannis属・Racotis属・シャチホコ科書き直し。

やっと余裕ができて,HP「yyzz2; 虫画像 虫よもやま」更新(以下リンクがうるさいのだが,何だか対策だと思ってください)。一般的な価値は,HPの学名ごっこの方が16世紀の昆虫学よりも高いはずである。バルトロメウは後回しにして学名。 Proteostreni…

ケイさんからの虫メール。クシヒゲガガンボの類。ウスキツバメエダシャク? キアゲハ。ミヤマクワガタ。ハコベナミシャク。

悪夢のような,「前期中間考査→みくに会→学校祭」のスケジュールが終わって3連休。久し振りにHPをいじって過ごす。極めて非活動的だと言わねばならないが,(自称)知的営為とはそんなものなのである。 神奈川のケイさん@「ケイの言ってみようか!」管理…

第47会「みくに会」非公式レポート(6)。7月3日最終日朝。

(1) > (5) 最終日の朝。目覚めたのはとっくに明るい4時半。 布団を抜け出して残り蛾チェックに。これはもう恒例行事である。あまり特筆すべきことは見つからなかった。シャチホコガやミスジシロエダシャクはほとんど逃げていない。とうとうスズメガ…

第47会「みくに会」非公式レポート(5)。7月2日夜。

(1) > (4) ひさしからしたたっているの大粒の雨。夕食はジンギスカン@味付である。好みはともあれ,そちらの方がいろいろと合理的である。あのヘンテコな形の鍋で食べるのは二昔ぶり。山盛りの肉を見て,こんなに食べられるのかなといった声があがっ…

第47会「みくに会」非公式レポート(4)。7月2日中盤戦。

(1) > (3) 目が覚めると,わたしは時間をつぶせない人間なのでさっさと講演会場(=幹事部屋=宴会場)に行ってしまう。プロジェクターが準備されていて,Sさんがリハ中。漬け物バケツにしか見えない採集装置を幹事たちに説明している。 隅の長机で…

第47会「みくに会」非公式レポート(3)。7月2日前半戦。

(1)・(2) 「みくに会」2日目。習慣とは恐ろしいもので,時計を見ると朝の5時ジャストである。見回すと相部屋の重鎮たちは,デカルト的にいえば「生物機械」,アリストテレス的にいえば「植物的霊魂」の状態である。彼らは何時まで飲み,かつ議論して…

第47会「みくに会」非公式レポート(2)。7月1日後半戦。

(1) やがてトガリバカギバが増え出す。キマダラ・(オオ)マエベニ多い。マエキ・エゾ・ウスオビ。 ヤガではハンノケンモン,アカガネヨトウ。 スレものはほとんどなく,どの蛾も鮮やかなピンの色合いをしている。アオリンガがいい色で,売れ筋の一つ。完…

第47回「みくに会」非公式レポート(1)。7月1日前半戦。

いやいや,生の蛾からはね,すっかり遠ざかってるからねえ。ご覧の通り。わたしが全然場違いなのは,それは分かっていたのだけどさあ。7月1日から。採集会である「みくに会」に参加してきた。採集なんてしないけどさ。 いままで,報告・談話会である「みち…

番外編。中世におけるワニチドリ伝説の発展について(3)。

(1)・(2) 相変わらず,ワニの歯を掃除するチドリの話の変遷史が続く。 本質的に行き当たりばったりでブログを書いているので,復習しながらじゃないと自分も分からなくなる。 前5C:ヘロドトス これがおそらく記載としてはプロト。ワニの習性とトロ…