2016-01-01から1年間の記事一覧

7月1日からのみくに会の申し込みがまだ間に合ってしまいそうな件について。

さてUさんからメールが来た。 日本蛾類学会の重要イベントの一つである「みくに会」がピンチらしい。 http://www.moth.jp/jp/page_fj.html 今のところ申し込み人数が思いの外少ないらしい。まあ,北海道開催だからね。北海道といえば,やっぱり日本じゃない…

番外編。中世におけるワニチドリ伝説の発展について(2)。

(1)のつづき。脱線中。ワニの歯を掃除するチドリの話の変遷史である。 ヘロドトス → アリストテレス → 大プリニウスからそして,といったバトンリレーのただ中。 次走者のガイウス・ユリウス・ソリヌス(Gaius Julius Solinus)は3世紀ローマの文法家,…

番外編。中世におけるワニチドリ伝説の発展について(1)。

3泊4日の卓球高校生引率@網走がやっと終わった。1泊2食で4千8百円。食事がかなり良い。昼間は高校生のわあわあ言う声とピンポン音の中で,Raven『English Naturalists from Neckam to Ray』を居眠りしながら読み進める。English Naturalists from Nec…

さてどうしよう。

やっと解放されて,安ワインをラッパ飲みしながら書き始めている。 とにかく愚劣に忙しい。高体連で明日から3日間卓球部の引率で網走行き。高倉健とは全く関係ない。今日はのべ15クラス分の自習課題を作って印刷した。授業も5時間こなした。最後の6校時…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(追記・メモ2/2)

本編(1)・追記(1) 『インドの鱗翅目 Lepidoptera Indica』第7巻,p.119の註は,前回書いたように,スウィンホーによる引き継ぎの挨拶である。 ムーアの業績賛美や人柄の回顧については本項ではカット。わたしにとっては優先順位が高くない。思想と人…

ケイさんからの虫メール。アシベニカギバ,ハバチの幼虫。

道東の地ではサクラはまだ不十分。 黄金週間のことあれこれ書いたけれども,読み返すとすべてグチと思考停止の産物でしかないので抹消。 神奈川のケイさん@「ケイの言ってみようか!」管理人からメールがきていた。5月3日。 何回返信しても「Undelivered …

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(追記・メモ1/2)

本編(1) すじ肉を煮込んだり,コンピュータ将棋をネットで見ていたりして原稿書きができなかった。 いろいろなことは明日。 ムーア『Lepidoptera Indica』の補足。 やっと見つけた。『Lepidoptera Indica』は第6巻まででムーアが死に,第7巻から はChar…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(3)大プリニウスにおける蝶蛾の発生。

(1)・(2) 昆虫研究史は,前4世紀のアリストテレスから1世紀の大プリニウスへと,大プリニウスから16世紀のゲスナーへと三段跳びをする。間がずいぶんとあいている。この隙間隙間には光度の落ちる星々がなかったのではないのだろうが,詳細な史的研…

ケイさんからの虫メール。ヨトウガ。

もうこのブログに新しい蛾の写真が載ることはないだろうくらいに思っていたのだが,世の中は色々あるものだ。 当ブログのほとんど絶滅危惧種となった読者の稀少な一人である,神奈川のケイさんがメールをくれた。 彼は現在,「ケイの言ってみようか!」の管…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(2)アリストテレスの昆虫論。

(1) 昆虫学は古代ギリシア最大の哲学者,アリストテレスをもって嚆矢とする。 アリストテレス以前の人間は,虫になどミツバチとカイコを除いて関心を持たなかった。まあ当然だね。アリストテレスは森羅万象を研究した人物であって,生命だの発生だのの研…

Phthonosema属更新。

HP更新。Phthonosema属。 昨日が「参観授業」で仕事だったので,今日は振替休日になった。例年通り2月3月は神経がボロボロだったが,これも例年通りに4月は「やや元気」な状態が今のところ継続している。朝から雪が降っている。車を出して灯油を買って…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(1)前置き。

さて,うん,これからまた長丁場。 しばらくは前置きが続くよ。人生の3分の2は前置きや準備だけに費やされ,そのほとんどが実りのないものに終わることがこの年になってつくづく分かったのはさておき。 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −…

Phthonandria属更新。

HPでPhthonandria属更新。http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Phthonandria.html 。 エゾウスクモエダシャクの「emaria」が河川名だったことが収穫。 あまりつまらないので久し振りにようつべを貼ろう。 「宵に叶わず」。こういうのは好きなんだけ…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その20/20)

(1) ・・・ (19) ムーアについては,かつて記したように,日本ではほとんど知られていない。19世紀の博物学に関する翻訳書が幾冊も出ているが,そこにムーアの名前が現れることはない。この事情は海外でも同じらしく,彼のことに触れている本がさっ…

HP更新。Peratophyga属・Petrophora属・Phanerothyris属・Phigalia属。

HPを更新。 Peratophyga属。 クロフヒメエダシャク。調べてみると未見だった。ありふれた蛾に思えたのだがなあ。命名者のKollarはこの蛾をIdaea属に分類している。Idaeaといえば,例のヒメシャクの類いである。ベニヒメシャクの色違いに見えないこともない…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その19)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15)・(16)・(17)・(18) というわけで,「Lepidoptera Indica」の記載リストの貼り直し。こんなに「L_I」に…

Parectropis属更新。シロモンキエダシャクやらハフナゲルやら小麦粉やら。

HPのParectropis属更新。http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Parectropis.html 何のことはないParectropis similaria(シロモンキエダシャク)であるが,今回(わたしにとっては)新しい発見。 かつてブログに書いたように,「similaria」を「simil…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その18)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15)・(16)・(17) 『Lepidopera Indica』はムーアの死によって中断された本である。ムーアが6巻まで。7〜10…

Pachyerannis属・Pachyligia属・Parabapta属・Paradarisa属・Pareclipsis属更新。

三連休じゃなくて明日明後日は出勤サービス時間外だから,休日。 今日は虫のことしか考えないぞで,朝からずーっとPC。 Pachyerannis属 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Pachyerannis.html クロスジフユエダシャク。何がobliquariaだか一つも分…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その17)

(1)・(2)・(3)・(4)・(5)・(6)・(7)・(8)・(9)・(10)・(11)・(12)・(13)・(14)・(15)・(16) ずいぶんのご無沙汰でした。だって心身ボロボロだし,仕事は泣きそうなほどだし。 資料読みは少しずつ続…

Ourapteryx属・Oxymacaria属の学名の意味。

HPの更新。 Ourapteryx属 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Ourapteryx.html Oxymacaria属 http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Oxymacaria.html ほんとうに久し振りに,家にいられて出勤しなくてかまわない休日。 Mooreの「Thanksリスト」…

第42回みちのく会一関大会報告だいたい(3/3)。「話題提供」と帰路。

何だかよく寝た。6時起き。 帰りの飛行機の時間が心配である。バスの進行が信用できないからなおさらである。フロントで一関駅までのタクシーの予約。これで1時間早くバスに乗られる。 2日目は「話題提供」。何か発表である。 「蛾会最近の話題」。オフレ…

第42回みちのく会一関大会報告だいたい(2/3)。「一人一話」だよ。

「みちのく会」は「一人一話」から始まる。「一人一話」とは,自己紹介と活動・研究の報告を兼ねたもの。純粋な挨拶あり,最先端の報告あり。 その若干の紹介。 先日物故した杉氏の思い出話が数人から。 シャチホコのDNA。かなり面白いことになってきている…

第42回みちのく会一関大会報告だいたい(1/3)。会場につくまで。

というわけで,ほぼ身心の機能が停止中のyyzz2ですが,2月の最終土日に恒例とも因習ともいわれている「みちのく会」に行ってきましたのでありました。 「みちのく会」と言われても常人には何やら分からないに違いない。 ネット検索でヒットさせると,「みち…