2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(3)大プリニウスにおける蝶蛾の発生。

(1)・(2) 昆虫研究史は,前4世紀のアリストテレスから1世紀の大プリニウスへと,大プリニウスから16世紀のゲスナーへと三段跳びをする。間がずいぶんとあいている。この隙間隙間には光度の落ちる星々がなかったのではないのだろうが,詳細な史的研…

ケイさんからの虫メール。ヨトウガ。

もうこのブログに新しい蛾の写真が載ることはないだろうくらいに思っていたのだが,世の中は色々あるものだ。 当ブログのほとんど絶滅危惧種となった読者の稀少な一人である,神奈川のケイさんがメールをくれた。 彼は現在,「ケイの言ってみようか!」の管…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(2)アリストテレスの昆虫論。

(1) 昆虫学は古代ギリシア最大の哲学者,アリストテレスをもって嚆矢とする。 アリストテレス以前の人間は,虫になどミツバチとカイコを除いて関心を持たなかった。まあ当然だね。アリストテレスは森羅万象を研究した人物であって,生命だの発生だのの研…

Phthonosema属更新。

HP更新。Phthonosema属。 昨日が「参観授業」で仕事だったので,今日は振替休日になった。例年通り2月3月は神経がボロボロだったが,これも例年通りに4月は「やや元気」な状態が今のところ継続している。朝から雪が降っている。車を出して灯油を買って…

『Theatrum Insectorum』の「蝶蛾」を読む。(1)前置き。

さて,うん,これからまた長丁場。 しばらくは前置きが続くよ。人生の3分の2は前置きや準備だけに費やされ,そのほとんどが実りのないものに終わることがこの年になってつくづく分かったのはさておき。 − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −…

Phthonandria属更新。

HPでPhthonandria属更新。http://yyzz2.sakura.ne.jp/name/Ennominae/Phthonandria.html 。 エゾウスクモエダシャクの「emaria」が河川名だったことが収穫。 あまりつまらないので久し振りにようつべを貼ろう。 「宵に叶わず」。こういうのは好きなんだけ…

手元の資料で調べよう。フレデリック・ムーア。(その20/20)

(1) ・・・ (19) ムーアについては,かつて記したように,日本ではほとんど知られていない。19世紀の博物学に関する翻訳書が幾冊も出ているが,そこにムーアの名前が現れることはない。この事情は海外でも同じらしく,彼のことに触れている本がさっ…

HP更新。Peratophyga属・Petrophora属・Phanerothyris属・Phigalia属。

HPを更新。 Peratophyga属。 クロフヒメエダシャク。調べてみると未見だった。ありふれた蛾に思えたのだがなあ。命名者のKollarはこの蛾をIdaea属に分類している。Idaeaといえば,例のヒメシャクの類いである。ベニヒメシャクの色違いに見えないこともない…