第42回みちのく会一関大会報告だいたい(3/3)。「話題提供」と帰路。

 何だかよく寝た。6時起き。
 帰りの飛行機の時間が心配である。バスの進行が信用できないからなおさらである。フロントで一関駅までのタクシーの予約。これで1時間早くバスに乗られる。
 
 2日目は「話題提供」。何か発表である。

「蛾会最近の話題」。オフレコが多いのであまり書けない(発表中,何回も釘を刺される)が,あまりメモれてもいないので大丈夫である。

  • DNAバーコーディングによる分類・同定の見直しが進んでいる。
  • 鱗翅目の新しい科。Aenigmatineidae(ホソコバネとムカシガの間あたりに位置)とPeudobistonidae(これまで暫定的にシャクガ科。アゲハモドキに近い新科とされた)。
  • 『日本昆虫目録』の各巻がぞくぞくと準備されているという。これから「蛾」をやらなければならないという。シノニムリストが載るならわたしはぜひ欲しい。でもお高いのだろう。ゲーム機がどんどん遠ざかっていく。
  • 分類が「大系統」に向かっていて,どんどん科がまとめられていく潮流。分類を細かくするか,大きくまとめていくかは,19世紀にすでに論議されている所であるが,当時は分けていく方向へ向かったはず。
  • チョウの分類学上の位置が,ミクロになる可能性。

「日本の冬夜蛾」出版。「冬夜蛾」と書いて「キリガ」と読ませる。キラキラネーム? 交尾器を切らずに絵合わせで同定できることを目指した本である。
払込伝票が配布された。わたしにも回ってきた。分かりました。買います。

新潟県蛾類目録」紹介。3人で(ほぼ自腹を切って)作り上げたもの。ミクロを充実させねばならない…………。CD-ROM付。ただし画像はない。でもぜひ購入して欲しいとのこと。

北日本の小型ミノガ採集記」。採集のポイントはもっぱら墓地であるらしい。
わたしがもう20才若くて気力が充実していれば,「全身に経文を書いておかないと霊障があるのではないのですか」とか「来世はミノムシに転生するとは思いませんか」などと質問してヒンシュクを買うところだったが,自律神経がダメだと命じたので黙っていた。

 
 会終了。ロビーに真っ先に下りると,そこは大正琴の演奏会の真っ最中。困る。観客に弁当が配られたりしている。
 早い時間に高速バスへ乗りたいわたしが,花巻空港へ時間がぎりぎりのKさんをタクシーに巻き込んで,あまつさえ運賃をおごってもらった。ありがとうございました。
 
 一関駅は田舎の駅。駅内の店でパンとおにぎりを買ってむさぼる。さすがに椎の葉には盛らない。雑誌は我慢。節約。
 駅舎の食堂には看板があって「お餅食べれます」と「ら抜き言葉」で書いてある。一関は「せんべい」や「餅」といったすぐれてデンプンな都市であるようだ。
 
 帰りの顛末は手抜きでずんずん記述。仙台駅で通行人の「アニメばかり見ている」とか「血まみれの手で何かを5回くらい何かした」などという言葉が耳に飛び込んできたが,仙台は危険な街だというだけのことである。
 
 あとはヒコーキを乗り継げばよい。AIR DO機内の紙コップが初音ミクだったのでガチャの敵(かたき)を少しだけ取った気になる。
前面  裏面

 新千歳空港では長蛇の列の保安検査。
 「18:00発羽田行きのお客様はいませんか」と職員が走り回る。多くの人々が手を上げたり,横に抜けたりしている。すでに18:20である。飛行機が遅れるのはこういう原因もあると知る。
 
 わたしは18:50発なのでヨユーである。18:30通過。女満別行きの搭乗は,はずれの階段を下りる。狭い待合場は裏の勝手口のようなうらぶれた雰囲気。待っている人たちの表情は一様に重い。それでも無事に乗り込める。
 
 着いた女満別空港は暗く寒い。飛行機を降りて外のアスファルトを到着口へ向かってとぼとぼ歩く感じが,最果ての都落ちチックで風情がある。
 「行こか戻ろか 北極光の下を」。

 
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 来年の会場は盛岡らしい。新幹線で行くのだろうか。新幹線。「はまなす」の件で,かなり不愉快である。夜行列車が失われていく。わたしは貧しく,忙しいのである。