第47会「みくに会」非公式レポート(6)。7月3日最終日朝。

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 最終日の朝。目覚めたのはとっくに明るい4時半。
 布団を抜け出して残り蛾チェックに。これはもう恒例行事である。あまり特筆すべきことは見つからなかった。シャチホコガやミスジシロエダシャクはほとんど逃げていない。とうとうスズメガは飛来しなかったようだ。ピークには少し早いのかもしれない。
 
 1Fロビーで茫然とTVを見る。日曜の朝は各局ともニュースに力が入らないのでつまらない。バングラデシュのテロのニュースばかりである。当事者は大変だろうが,愛山渓の蛾屋さんたちにはあまり関係ないというのが健全な市民(蛾屋)感覚だと思う。
 早起き組が現れてくる。Tさんはわたしの(数少ない)読者だとのこと。本来なら五体投地で感謝の意を示さなければならないのだろうが,わたしは非礼のなので椅子に座ったままだったりする。
 少数であっても読者がいる間は頑張らないとなあ(でもほとんどいない。アクセス解析を見るたび暗澹たる気持ちになる)。
 
 男風呂が昨夜遅く酔客に狼藉三昧されたらしい。しかも別件で浴槽からメガネが発見されたという。朝風呂しそびれた蛾屋さんたちが入れ替わり立ち替わりロビーに飛来する。一部の方は女風呂の方に入る。
 
 日曜の朝のTVで面白いのは,NHKの自然番組だけ。
 
 彼らが一様に天気を気にするので,TVはデータ放送で天気予報を掛け流し。天気は持ちそうだね。せっかく北海道に来たのだからと道東採集旅行を続行する方もいるようで,わたしに知床や釧路方面へのルートを訊ねてくるが,わたしにはもちろん一つも分からない。
 道東は交通アクセスがとんでもなく不便(道路の存在が怪しい)で,大雨だと通行止めにすぐなって,しかも実は日本ではない(ファウナ的にはおそらく沿海州)ので,現地人以外あちら方面は何にも知らないのが普通(あちらについて口にするのがタブーだとまでは言わないが)であって,かつ,わたしは現地人ではないのである。
 
 朝食で何が供されたかは忘れましたごめんなさい(サンマの焼いたのがあったような)。
 それから,「昆虫文献 六本脚」提供による各賞の発表。蛾類学会会長の独断とじゃんけんによって豪華本があたる。
 <珍品賞>は決戦になった。「エゾヨツメ」を採集した人が挙手する。大勢である。特産でもない,かさばるエゾヨツメを採った人がこんなにいるのか。じゃんけん1回戦で2名まで絞られたのは見事。さすが蛾屋である。
 ヨーロッパエゾヨツメなんだけれども,あの Hübner の手になる画像(『ヒューブナ-の蝶蛾』)。S.l. :s.n.(出版者:出版社不明), 1796-1841, Hübner's papilio から。
(拡大)
http://www.biodiversitylibrary.org/item/131977#page/109/mode/1up
 その他の賞はごめんなさい忘れましたごめんなさい。わたしが最新の美麗本に関心がないので……。
 本を獲得した人,おめでとうございます。
 
 というわけで解散。次回の「みくに会」の希望地は誰の発言もなかったので幹事に一任された。予算とアクセスがOKなら行きたいのだけどなあ。
 
 11時半頃に妻が迎えに来た。蛾屋さんたちが手を振ってくれたことを,彼女は喜んでいた。
 
(この項おわり。次回は送ってもらっている画像を紹介。その次はルネサンスのバルトロメウに行きます。めちゃくちゃだなあ)