苫小牧マイマイガ駆除の続々報.今年の駆除開始.

 苫小牧ハイリスク港指定マイマイガ記事の続報.


北海道新聞」4月24日朝刊p.25「苫小牧・日高面」(俵積田雅史記者)
見出し引用.

マイマイガ ハイリスク指定
苫小牧港で駆除開始
解除基準あいまい 戸惑いも

 今シーズンのマイマイガ駆除が始まった.

駆除は二〇〇七年秋から行ってきたが,今年は対策を強化.西港に近い四地区で,樹木への薬剤散布量を二倍にするほか,春と秋に卵塊除去作業を各十五日間,幼虫捕獲を六−八月に二十日間実施する.

 港から1キロのところの公園での卵塊除去作業の写真が載っている.


 農薬を倍にするとのこと.どんな農薬なのかを問い合わせるほどの熱意はないので勝手に調べる.
 サイト「北海道立農業試験場」の「林業病害虫農薬」を見てみる.「デミリン水和剤」というのが幼虫用には一般的であるようだ.もちろん苫小牧でこれが使用されるのかどうかは分からない.
 「デミリン」で検索すると沢山ヒットする.ユスリカやチョウバエ,ボウフラなど水生昆虫,鶏など家畜の糞にわくウジ,果樹ではシンクイムシなどの防除.イカリムシやウオジラミにも効く.昆虫(イカリムシもいうことは節足動物全般?)の成長,脱皮を阻害する物質.上手く脱皮できずに単に表皮が裂けたりするらしい.
 デミリンの成分は「ジフルベンズロン」であって,その毒性については「CiNii」の「ジフルベンズロンの毒性試験の概要」のプレビューで読むことができる.
 哺乳類や魚への影響は小さいようだ.でも虫類はほとんどやられるのだから,生態系にはかなりのダメージがありそうだ.短期的にマイマイガを減らして指定解除されても,じきにまた大発生する可能性がある.どのような農薬を使うにせよ,薬をまき続けなければならないだろう.
 結局のところ,本当に何とかするのなら,港から数キロの範囲は「そういう地域」として考えなければならない.その地域内から一切の樹木を排除してしまうのが最も分かりやすいと思うのだが.