「きり」蛾.
今夜は収穫なし.蛾は途中で車のライトに飛び込んできた1頭だけ.
ところで,相変わらずキリガの「キリ」が分からない.うーん.
ヤガは「夜蛾」で,学名のNoctuidaeからほぼ直訳している.キリガもそうなのか? キリガの属はOrthosiaである.これが「キリ」と結びつけば解決.
でも女性名詞みたいだ.嫌な悪寒.調べてみたら案の定,ギリシアの女神の名前である.「オルトシア」は時節の運行を司る(二十四節気みたいなイメージだと分かりやすい)ホーラ女神群の一員で,「豊穣」の女神である.「キリ」とは一つも結びつかないので,全くわたしの見当違いだったわけだが,キリガのグループに女神の名が付いているのはセンス的には悪くない.
とは言え,「豊穣」は秋のネタだろうな.
先般から当日記に登場願っているカバキリガはどんな「豊穣の女神」かというと,"Orthosia evanida"である.「消えている,気を失っているオルトシア」.あまり美しそうだったりありがたそうだったりはしない.女神にも色々事情があるらしい.
それでも「消えている」ぐらいならまだましである.ミヤマカバキリガにいたっては"Orthosia incerta incognita",「オルトシア+不確かな+知られていない」である.もはや容易ならざる絶望的状況と言えよう.
せっかく女神なのだから,もっと雅な種名をつけてやればいいのになどと考えるのだが,どうだろう.
というわけで疲れた.「キリ」の疑問はお蔵入りとなった.