オナガミズアオ.

 前夜のイボタガに気をよくしている.今夜もまた会えるかもしれないし,何か他のいい蛾だっているに違いない.そのうちにカメムシも灯火に来だすはずだし.
 狩りに出撃.
 看板に蛾反応がある(遠目に何か貼り付いているのが見える)のを確認して,先に公園奥の駐車場にまわった.ここは外灯の下に落ちている蛾が狙い.車をゆっくり走らせていく.



 何か白っぽいものが道路に落ちている.これは,探し物では….
 ドカーン( ゚д゚)ビンゴーー! オナガミズアオ(もちろん種名は帰宅後に調べて.現場ではオオミズアオと区別がついていなかった)キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! .2日続きの大物である.

06年5月21日21時22分.苫小牧市樽前,錦大沼公園
 昨日のイボタガも大きかったけど,これも大きい.前翅長は60mmを越えている.前の記事で前縁の赤を「りんごの皮」に例えたけれど,この翅の色はさしずめ「春キャベツ」の薄緑を上品にしたような色である.あまり色っぽい連想ではないが仕方ない.
 翅の紋にちゃんと黒い影が入っていて立体的に見えるのも面白い.

 イボタガがぐるぐると波打ちながら闇に沈んでいく美しさなら,オナガミズアオは抑制された色彩が闇にほの明るく浮かび上がるそれである.
 大きくて気味が悪いと感じる人もいるというが,開帳30mmくらいではこの淡い美しさは冴えてこないだろう.いつものエダシャク連中だって100mmあれば,それはそれで見栄えがするかもしれないが,うーん,どうだろう.大きくても同定の厳しさは変わらないだろうし.
 同定といえば,オナガミズアオと本家オオミズアオとの識別ポイントは「みんな蛾」の「オナガミズアオ」に整理されている.この蛾については,「触覚の色」・「横線が直線」から判断.


 いつまで眺めていても切りがないので,蛾は放置して正面の看板へ.あのまま,あそこに這いつくばっていれば,朝と同時に鳥の襲撃を受けるに違いない.しかし,助けるのはわたしの役目ではない.彼に運があれば,夜のうちに再び飛び立つだろう.


 看板に沢山集まっていたのは,ヒゲナガカワトビケラだった.どうやら今が前期の旬らしい.活発に動き回る.
 トビケラに混じって,かなり擦れたモンキキナミシャクがいた.これもスルーしがたい初見の蛾ではあった.