サクラハトサカフシ報告.

yyzz22006-06-21

 21日は雨.というわけで,20日に話は戻ります.


 数日前,職場の近くのエゾヤマザクラをチェックしていて,虫こぶを見つけた.ネットで調べるとサクラハトサカフシサクラフシアブラムシの虫こぶ)(「晶子のお庭は虫づくし」の「虫こぶ編7」から)であるらしい.
 漢字だと「桜葉鶏冠附子」だな.


 かくして吉日を選んで昼休みに本格調査を決行.

 芋虫が湧いているようにみえる.葉っぱに融合しているから,これが芋虫ならさしずめ「地縛霊」である.サクラにしてみれば,どう見ても「悪い病気」である.


 採集.職場に持ち込んで撮影.
 
柔らかい葉が巻いたようになっているものと,角質化して「鶏冠」になっているものと2種類ある.同一種の新旧なのか,別種なのかは分からない(判明した時点で追記する予定).
 柔らかい方は黒い粒のようなものが透けていて,いかにも虫の巣っぽい.
 カッターを取り出して切開手術.まず柔らかい方から.

アブラムシ〜.脱皮ガラも沢山.羽根虫も2頭いる.こいつらは夏の間はヨモギで生活するというから,有翅組は脱出隊なのだろう.こぶ1つで脱出2では効率が悪い.これからどんどん有翅隊が産出されるのではないか.


 もう1つ,大きい方を切開.なかかな固い.壁の厚みは画像から読み取ることができる.

1頭だけ,何か大きいのがぽつりとしている.その他は脱皮ガラが少しあるだけ.
 もう1つこぶを開けてみたが同じ状況である.何かおかしい.本体脱出後の居残りとすれば,他のものの死骸やカラがありそうに思う.
 捕食者? しかしアブラムシに見える.やはり別種なのか.


 調査中.そもそも虫こぶ関係の図鑑まだ持ってないんだよなー.


 ※追記:「北海道の虫えい」に取り上げられている(http://www.galls.coo.net/index2.htmlから「北海道の虫えい(虫こぶ)図鑑」→「バラ科」→「サクラハトサカフシ」)のを見落としていた.
 2つは同じ種類であるらしい.残留の1頭はおそらく幹母(グレートマザーだな).脱皮ガラはどこか落ちてしまったものと思われる.