エゾモクメキリガ.

 今日は雨.ずーーっと雨.


 昨夜の「スレたキリガ」がどうにも「ミヤマカバキリガ」に思えて仕方ないのだけど,サイズがどうも小さい.ミヤマカバはカバよりも一回り小さい17mmほどのはず.例の奴は13mmなのである.
 もう少し暖めよう.


 次はエゾモクメキリガの話題.

07年5月16日(昨夜).
 横から撮ると,頭でっかちでスズメガみたいだ.腹も短くて寸詰まり.
 ところで後発の図鑑は,先行する(しばしば他社の)図鑑の誤りを(名指しせずに)訂正するのがその使命の一つである.
 北隆館『昆虫大図鑑』.この蛾に関連して,

以下この亜科(引用者註:セダカモクメ亜科)の蛾は2,3の例外を除きすべて晩秋に羽化し,成虫又は卵で越年するものと考えられ,その多くは春に採集できる. (p.117)


 ※追記:待てよ,「以下」というのは「エゾモクメキリガの項目」ではなく「この記述以下」ということかも.ならばこの蛾は当てはまらないわけである.とはいえ,この記述はエゾモクメキリガの解説文中の末尾に置かれている.どうせわたしは悪意のテクスト読者ではあるのだが.


 これが講談社『蛾類大図鑑』では次のように訂正される.(記述される?)

蛹で越冬. (p.725)

 簡潔である.成虫越冬ではないことを逆照射している.ここら辺の妙味は図鑑を読み比べる者にとっての醍醐味である.
 でもこれだけ毛むくじゃらなら,越冬しないともったいないような気もする.そういう蛾.


 せっかくだから保育社『蛾類図鑑(下)』も.

前肢の脛節末端にははっきりした爪がある. (p.94)


 なるほどー.面白い.