また地味なシャチホコ勉強会(5).ウスキシャチホコ.キシャチホコ.

 「ウチキ」「ナカキ」ときたのだから,「ウスキ」をスルーする訳にはいかないだろう.わたしの頭の中ではこの3つの和名は常に混ざり合っている.これを書いている今もかなり危ない.


 という訳で,ウスキシャチホコ.幸いスタイルは前2種と全く違って,見かけは混同しない.
 でも別タイプの地味さが.
ウスキシャチホコ
 前翅長20mmほど.2006年7月8日.再掲である.
 図鑑にはあまり詳しく記述されていない蛾.ポイントは「腹が長い」「胸背の毛が冠になっている」ことぐらいだろうか.図鑑には触角のことが述べられているが,シャチホコはしばしば触角をしまっているので役に立たないことが多い.
 学名は Mimopydna pallida .属名はよく分からない.「mimos」が「俳優,模倣者」で,「pydna」はマケドニアの地名「ピュドナ」のように思える.何かわたしの知らない故事があるのかもしれない.
 ※maruyamanaさんからありがたいコメントを.「mimo-」は「マネ」ぐらいのニュアンスらしい.「pydna」については,外つ国にそういうシャチホコガがいるとのこと.早速検索.「Pydna mediodivisa」なる蛾の画像を見つける.なるほど似ている(リンク切れ).腹のない標本であるところを見ると微妙な蛾らしい.maruyamanaさんと正しい知識に感謝.
 ※追記.Pydna属の名称は現在使用されていないようだ.


 さて似た蛾.キシャチホコ
キシャチホコ
 22mm.2007年6月23日.これも再掲.
 「トリゲキシャチホコ」と類似しており(@「みんな蛾」),同定困難となるケースがあるようだ.でもとりあえず北海道には分布していないので平気である.
 ボサボサ頭なのでウスキとは混同しない.
 学名は Torigea straminea .属名の命名者はおそらく日本人であるから,これは「トリゲキシャチホコ」の「torige」なのでは? 小種名は「藁,敷き藁」.


 まだ続くよ.(TДT).