地味なシャチホコ勉強会(4).トビマダラシャチホコ.ナカキシャチホコ.ルリモンシャチホコ.
というわけで,シャチホコガの続き.これは脳内の優先順位が高い.冷蔵庫が壊れて1か月以上たっていることよりも重要である.
今回はネズミ色の地味な蛾が3種.
その1.トビマダラシャチホコ.
前翅長26mm.2006年6月10日.
モノトーン.「へ」の字の腎状紋があって… 横線が2本.旧名は「フタナミシャチホコ」であるという.他に何の特徴もないので,案外なかなかの命名かもしれない.
『蛾類大図鑑』では
前翅は暗色鱗を全面に密布し,単調な色彩を示す. (p.617)
その通りなのだろう.
北方系の蛾である.苫小牧ではよく見かける.
学名は Notodonta torva sugitanii .属名はいつもの「背中の歯」.小種名は「陰険な」.亜種名は人名から.
その2.ナカキシャチホコ.
前翅長28mm.2006年8月8日.
Matszさんのサイト「故郷・埼玉のトンボ」内「ちょう・がのずかん」ではこういうコメントが.
わけのわからないかんじの もようのしゃちほこが
(しゃちほこがの項)
確かに横線さえ分からない.それにしても….「みんな蛾」では
本種は前翅前縁基部がその下の基部より黒く、前縁中央が目立って白い。
(ナカキシャチホコの項)
要するに「腎状紋の外側が白い」.あとは消去法で同定しなさいということ.
学名は Peridea gigantea .属名はわたしの力では分からない.小種名「巨人の」.
その3.前種の応用.ルリモンシャチホコ.
21mm.2006年7月28日.
丸っこいふっくらした印象の強い蛾.図鑑を読み合わせても一長一短なのでまとめると,
どうしてポイントを小分けにして分担するのだろう.
学名は Peridea oberthueri .小種名はフランスの蝶学者オーベルテュールから(だと思う).
シャチホコをもう少し引っ張ります.