今日のシャチホコ(19).ギンモンシャチホコ.ウスイロギンモンシャチホコ.

 というわけで,シャチホコ
 もうすっかり既出のものばかりで飽きてきているのだが,打ち切るきっかけが見つからないのである.こんなブログで「シャチホコ図鑑」をやってもしょうもないのだがねえ.



 というわけで,「ギンモン」系2種.最も有名なギンモンスズメモドキはまだ苫小牧までは北上していないので,地味である.


 その1.ギンモンシャチホコ
ギンモンシャチホコ
 06年7月14日.前翅長は未計測だが,他日の別個体は17mm.
 上からだとこう.何だかよく分からない.
ギンモンシャチホコ
 同個体.
 シャチホコは翅を畳んだ時の角度が

  1. 平面的なもの.(シャチホコガetc.)
  2. 三角屋根になるもの.(セダカシャチホコetc.)
  3. 帆のようになり,撮ってもよく分からないもの.(ヒナシャチホコetc.)

に分かれる.ギンモンシャチホコはご覧の通り,3番目である.


 その2.ウスイロギンモンシャチホコ
ウスイロギンモンシャチホコ
 06年7月28日.前翅長20mm.


 さてギンモン(銀紋)が違う.問題は,この違いをどう読むかである.北隆館『昆虫大図鑑1』で比較.
ギンモンシャチホコ

前翅に数個の銀紋斑があり,そのうち大型の3紋は中室下と後縁の間にならぶ. (p.164)

ウスイロギンモンシャチホコ

前翅にある数個の銀紋のうち,中室下の1紋は三角形で最も大きい. (p.164)

 なるほどね.そういう具合に描写するわけだ.


 学名は Spatalia dives と Spatalia doerriesi .属名は「奢侈,贅沢」.
 小種名はギンモンが「豊かな,高価な」と,属名ともどもゴージャスである.人々にはこの蛾がきらびやかなものに見えるのだろうか.台湾名も「麗金舟蛾」である.
 それに対してウスイロギンモンは… これは人名だなあ.