バス停に.

バス停にバスがとまる.わたしの横を若者たちがすり抜けて下車していく.その耳には,誰の耳にもイヤホンが差し込まれている.補聴器ではなかろう.
 ああ,馬鹿ばかりだと思う.どうしてバスのエンジンの音や,人々の話し声や,窓の向こうからの様々な雑音に,どうして耳を傾け,自らを晒していかないのだろう.