ミドリハガタヨトウ.オニグモ.ウストビモンナミシャク.キイロキリガ.クロウスタビガ.カラスヨトウ?
今日は糖蜜なし.糖蜜なしなら急ぐ必要はない.19:30まで我慢.セーターを着込んで出撃.半月が雲に隠れたり現れたりしている.
錦大沼公園は通過.
アルテン馬場駐車場.
路灯の下で釣り竿を振っている人がいた.何事も練習である.そちらには近づかないようにする.
案内板の枠木の下に貼り付いて,灰色の中型蛾.
わたしに驚いて落下する.早春のキリガ同様,寒い時期の蛾はそうするものなのだろう.アイドリングに時間をかけるよりは,落ちた方が早い.
わたしにとっては歓迎である.撮りやすい.
ミドリハガタヨトウ.前翅長26mm.
耐寒装備は完璧そうである.
温泉駐車場.
舗装の上を大きめの蛾が走っている.クロウスタビガだ!
1枚撮って,飛び上がった.追う.
街灯をくるくると飛ぶ.スピードはさほど速くない.時々疲れたらしく高度を下げる.これなら眼を切らないようにすれば何とかなりそうだ.でもなかなか着地しない.
姿を消した.これは何処かにとまって休んでいるに違いない.フラッシュのリングを点灯して探すと,目の前の樹だった.
前翅長44mmの見事な,深まる秋を感じさせるたたずまいの蛾である.
クロウスタビガは苫小牧では10月はじめの短い期間にしか姿を見せない.spring ephemeralという表現があるが,この蛾はさしずめautumn ephemeralと呼ばれる資格があるように思われる.北海道では特別に珍しい蛾ではないのだが,虫探しをする人のほかにはこの蛾を眼にする人は多くないだろう.
那須野雅好(三郷昆虫クラブ)さん・ぺこちゃんさんのサイト「芋虫のつぶやき」の「204クロウスタビガ」の項から引用(許可ありがとうございました).クロウスタビガを被写体にして撮影会が始まった。暗闇にストロボの閃光が幾度も走り、夜は更けていった。一緒に撮影をしていた中田君が話しかけてきた。「100枚くらい撮ったんじゃない?」「まさか‥、いっても80枚くらいだよ」「そろそろだね」それでもお互い撮るのを止めなかった。
結局100枚以上の「変わり映えのしない写真」を撮ってしまう様が描かれているが,そういう離れがたい,いつまでも見続けていたい蛾は確かにいて,このクロウスタビガもそういう蛾の1つである.
でもわたしにとっても,この蛾にとっても残された時間はあまりに短いだろう.「いつまでも」という訳にはいかない.ほんの少しだけ,早いか遅いか.振り切って移動する.
落ち蛾.どうしても擦れたカラスヨトウに見える.
ところがサイズが一回り小さいので同定に自信が持てない.前翅長19mm.
2cmを越えれば問題ないのだが….
明日も仕事がきっとつらい.体力が限界の予感.