苫小牧港ハイリスク指定に関して,マイマイガ記事続報.
苫小牧のマイマイガ問題の続報.
- 2007−11−17「マイマイガの検疫」
- 2007−12−18「北海道新聞12月12日記事「マイマイガ駆除終了」.」
- 2008−02−27「苫小牧港のマイマイガ駆除の続報.」
- 2008-05−12「岩手県でのマイマイガの大発生報道」 これに関連して,北海道中川町の原さんの「原拓史blog」2008年09月11日「マイマイガ、ヘリキスジノメイガ?」も要参照.
- 2009-03-30「マイマイガ問題続報,苫小牧がハイリスク港指定へ.」
「苫小牧民報」4月6日第1面「NEWS NAVI」.
これはいわゆる囲み記事であって,「WEBみんぽう」には載っていない.
苫小牧港,マイマイガのハイリスク港へ
指定解除に対策急務
航路撤退の事態は回避
マイマイガのハイリスク港には,八戸・函館・酒田・大分・広島・阪南が07年に指定されていたのだが,今回,更に苫小牧・小樽・清水・神戸の4港が加えられることになったという.とりあえず最悪の事態(北米定期航路の撤退)は免れ,打撃は「ポートセールス上の港のイメージダウン」であるとのこと.そうには違いない.
マイマイガの防除と言っても,単純なことではない.
たとえ一時的に港周辺で大量薬殺が行われたところで,マイマイガは「超」の付く普通種で日本のどこにでも蛾である.他地域から風に乗って数頭が飛来し,その時その地域の生態系にマイマイガを抑制する力がなければ単純に大発生するだろう.それでなくても大発生しやすい蛾で,それ故にアメリカは恐れているのである.
多様な生物相の保持とマイマイガの抑制を両立させる方策が探られなければならない.
それにしても.紙面には「マイマイガ」の文字が躍るのだが,実際にマイマイガを見て分かる人がどのくらいいるのだろうか.
昨年の大発生(苫小牧ではそれほどではなかった)でマイマイガの♀やその卵嚢を知る人は増えたかもしれない.でも♂の姿や,幼虫の生態はまだまだ知られていないだろう.
まず,知識がなければ始まらない.無知は必ず悲劇を生む.直前の利害から中立に語ることのできる人々の声がなければ,絶対におかしなことになるに違いない.啓蒙的な活動が,一部の人間による防除対策と同じくらい急務だろう.だがそれをマスコミに望むのは無理なのだろうな.そういう仕事じゃないだろうし.