Torigea属追加。
虫撮りはまだまだ休み。
HPにTorigea属を追加。
「北海道大学学術成果コレクション : HUSCAP」で,この属が初出する「Insecta matsumurana Vol.8」が読める。わたしのようなアカデミズムに無縁な市井のトーシローが,世界の(古い)学術雑誌を参照できるとはありがたい時代になったものである。Torigea属が出てくるのは,P.180。
ところが,この命名者である松村松年先生は,『動物学雑誌』や『Insecta matsumurana』では学名の由来をほとんど記していない。昔はそちらの方が普通だったようだ。それでも運が良いと採集地や採集者の記述がヒントになる(ホリシャシャチホコとかスズキシャチホコとか)程度。
Torigea属も説明なし。普通に推測すれば「トリゲキシャチホコ」の和名に合わせたものだろうが,根拠はない。
松村シャチホコ属には,その他,
- Fusapteryx:房-翼。文脈から,「房」とは前翅後縁の出っ張りのことらしい。
- Togepteryx:刺-翼。全然分からない。報文には刺のトの字も出てこない。
- Hagapteryx:haga-翼。人名? それとも「ハガタエグリシャチホコ」の“ハガ”?
など奇妙なキメラ的命名がひしめく。
確かにホモニム(同名)は発生しづらいだろうなあ。