クロゴキブリ画像。

 高校への新卒求人は基本すべて学校長推薦である。
 というわけで,履歴書書きは当人なのだが,その他の文書を作って上司に決済を貰って,企業に提出するのはこちらの仕事。地元企業へは,郵送でなく直接持って行って手渡し挨拶が慣例である。
 というわけで片道40分の往復を(3日連続の半徹夜のレポート採点でモーローとした頭で)こなし,半死半生で職場に戻るとOBが2人うろうろしていた。
 今春に大学に入ったばかりの理系の女性たちである。初々しいというよりは,半年前と何も変わっていない。もっと成長すべきである。
 1人は地元の工学部,もう1人は四国の理学部である。まだ夏休みだとこと。大学生はいいなあ。わたしの日々の苦しみをぜひ分けてあげたいのだが,その方法がない。みんな不幸になってしまえと祈るぐらいしかできない。
 その四国のN嬢が「ゴキブリをシャメしたよ」とか突然言い出す。わたしの教育の成果である。
 さっそくメールでPCへ画像を転送してもらう。
クロゴキブリ
 クロゴキブリ。北海道の人間にはゴキブリは珍しい。彼女もまた,恐怖心を覚えていないようである。
 わたしもクロゴキブリは未見。チャバネなら道内に時たまうろついていて,かつてわたしは「札幌−北見間の特急電車の座席」と「旭川の餃子チェーン店のカウンターの隅」で確認している。
 いづれにせよ,ホカイドではゴキブリはレアな昆虫なのである。


 そうこうしていると,部屋に数名の現役の高○生がどやどや入ってくる。
 1人がビニールの小袋を突き出して,これは何の虫かとわたしに言う。小○生のような振る舞いに思えるが,これも教育の一つである。一体,わたしの本職は何なのだろう。でも仕事よりもこんな事の方が面白い。
 見てみると,小振りだが「ケラ」。今の若者たちはケラも知らないのかに一票。こういう身近な昆虫に関する経験は義務教育のうちに済ませておいて欲しい。
 かなり弱っている。OBも高○生もほったらかしで逃がしに行く。


 OBから聞いた話。推薦で大学入学した連中はしばしば明らかに学力が低いそうである。受験勉強を経験したかしてないかの差は大きい。
 ほとんど同じ内容を先週,看○学校の人から聞いていて,「推薦の子は勉強で頑張りがきかない」とのこと。
 入学試験でもないと彼らには学力を付ける機会がないのである。推薦入試もAO入試もわたしはすべて反対である。