ユミモンクチバの“Melapia”。

 というわけで間違いを発見。何かっていうと拙HPの「ユミモンクチバ」の項目

 こんなことが書いてある(書いたのは自分だけどさ)。

属名はLewis & Shortの辞典を引くと,見出し語はMelapium。「梨に似たリンゴの一種,(またはmelapia,melappia),プリニウスの『博物誌』」とある。Melapiumの方はマクラガイ科の貝の属名に用いられていて,なるほど果物みたいに寸詰まりの巻貝である。

 苦労して探したのだけど,結局ハズレだった模様。あーあ。
 CiNiiに論文があった。杉繁郎「MELAPIA NEW GENUS, WITH DESCRIPTION OF A NEW SPECIES FROM THE RYUKYUS (LOOCHOOS) (Lepidoptera, Noctuidae, Catocalinae)」(1968)。
 たまたま見つけてクラクラする。(= )は拙註。

Melapia gen.nov.(=新属)
Type-species(=タイプ種). Pelamia japonica Ogata,1961.

 あああ。簡単なアナグラムだ……。「Pelamia」属から新属を起こす時の,「p」と「m」の入れ替え造語。これではいくら辞書を調べても無駄である。


 HPを訂正しないと…。(ノД`)。
 今ならこんなミスはきっとしないのだけど,記事を書いた頃はまだネットでの文献探しが下手くそだった(負け惜しみあるいは言い訳)。


 くやしいので,オリジナルの“Pelamia”を調べる。
 おそらくギリシア語の pêlamis(若い,生後1年以内のマグロ)から。困ったなあ。(ということは Melapia は「めらぴあ」ではなく「めーらぴあ」なのかな)。
 さらにこの Pelamia属は現在,もとのMocis属(ウンモンクチバの類)に戻されている。ヤガ科にせよシタバガ亜科にせよ,ここら辺が混迷を極めているのはいつものことである。
 “Mocis”は「猿マネ」の意。Emmetは「おそらくは種が互いによく似ていることから」などと推測しているが,苦しい( >Д<;)と思う。


 ああ,いつもこうやって「昆虫的実体」から離れた領域に心が進んでいく。所詮は文系なんだなあ。
 というわけで,10日の虫撮記のうpは明日回し。10日の日付にしますので,この記事の下に来ることになります。