ヤガ科分類の変遷について。
というわけで,パソコンにひたすらかじりついて『大図鑑』→「List-MJ 日本産蛾類総目録 新体系(みんな蛾体系)」→『日本産蛾類標準図鑑』への,ヤガ科の分類の変遷表を作りましたとさ。頭の良い人間はこんなことしないだろうねえ。
というわけで,うp。
ヤガ分類の変遷.xls
十分なチェックをしていないので誤りがかなりあってもおかしくない。あくまで「気分とか目安」ということで。
- ヒトリモドキは科に逆戻り。
- 逆に,ケンモンガ科がウスベリケンモン亜科として復活。
- ホシミミヨトウ類が新設のヒメヨトウ亜科へ吸収消滅。
- 同様に,エゾモクメヨトウ類が新設のモクメキリガ亜科へ吸収消滅。
- ハマオモトヨトウ類はヨトウガ亜科へと出戻る。
- コヤガ亜科はベニコヤガ亜科とスジコヤガ亜科を2大勢力に,9亜科へ完全解体。キリガ亜科やエグリバ亜科にもらわれていった連中までいる。
- クチバを取り込んで肥大化したシタバガ亜科が大リストラ。9亜科分放出+アツバモドキ科として2種。自己都合扱いなんじゃなかろうか。ついでに「亜科不明」扱いを12種出す。「絵合わせで困った時にはシタバガ亜科の法則」に分類が追いついた。
- そういえば,あの何やら怪しげな噂のあったフクラスズメがやっぱりウスベリケンモン亜科へ。うーん。
- カラスアツバ亜科とセダカモクメ亜科から大量にメンツを集めて巨大派閥となっていたヨトウガ亜科は結局,外様組がすべて抜けてしまった。離亜科メンバーのほとんどはキリガ亜科を新設し,250種にせまる大勢力に。まるで政治抗争みたいです。こちらも分裂するような気がします。
- ところで,キリガ亜科ができたのはいいのだけど,カバやクロミミやホソバ,スギタニといった春キリガたちがヨトウガ亜科に残ってしまった。なんだかなあ。
- そういえば,モクメヨトウがモンヤガ亜科へ移籍。「××モクメヨトウ」がキリガ亜科に沢山いるのだけど。創設者の理念というのはしばしばそういうことになるものらしい。