ムカデ勉強会(8)。
<承前>
ムカデの絵の需要がそもそも絶対的に乏しいらしい。
画家が標本を見て生態を想像したと思しいような,18・19世紀の自然誌風の挿絵を探しているのだが,これが難物。さっぱり見つからない。見て面白いものではないし,沢山の脚を書くのが面倒なのかもしれないし,モデルとなる標本がポピュラーではないのかもしれない。
詰まらないなあ。専門書的なものばかり。
前回はイタリア本。今回はイギリス本である。
Leach, William Elford;The zoological miscellany : being descriptions of new, or interesting animals,vol.3,plate 140,1817。
1・2は,Geophilus maritimus 。上記の本が原記載である。現在は Strigamia 属に分類し直されている。概してジムカデの属は細分化の傾向にある。
種小名のマリティムスというのは「海辺にいる」。
3〜6は,Geophilus longicornis 。これは現在,Geophilus flavus のシノニム。EOLを見ると,「19 synomyms」とある。ムカデの同定の憂鬱さがうかがえる。
フラヴスは普通に「黄色い」。