yyzz2のHPにおける「ラテン語の発音表記のガイドライン」。
Twitterで質問があったので整理しておく。
ラテン語は現代では書き言葉なので,発音は乱暴にいえばどうでもいい。アルファベットを用いている国では自国語読みをしているとのことである。日本ではローマ字読みが基本である。
ローマ字読みをベースに,古典風や現代風の読みを組み合わせているのが日本のおおまかな現状であるようだ。当HPでも,だいたいのおおまかなラインで押さえたい。厳密な考証や異論は幾らでも可能だと思うが,とりあえずということでお許し願いたい。
本やサイトごとに発音法が違うので調べれば調べるほど収拾が付かなくなる。というわけで標準的な(=わたしでも何とかなる)参考文献として,次の2つを用いたい。
・水谷智洋編『改訂版 羅和辞典』,研究社,2009
・辻野匠「学名(ラテン語)のカナ表記についての試論」,地質ニュース675号,2010。
次のようにかな表記を行う。
- 二重母音,例えばai,ae,oeなどはそのまま[ai],[ae],[oe]とする。
- yは[i]とする。ただし固有名詞については[j]の場合がある。
- vは[w]とする。
- chは[k],phは[f],psは[ps],thは[t]とする。
- gnは[gn],psは[ps]そのままとする。
- bsは[ps],btは[pt]とする。
- ll,mm,ss,rrなど同子音が重なっている場合は,その子音を2回読む。
- ccは[k]1音とする。
- quは[kw]とする。
- 固有名詞の属格を作る語尾 −i については,[固有名詞の発音+ i:]とする。
- 長音については,ラテン語辞書に従う。ギリシア語η,ωをラテンナイズしたe,oは長音とする。
10はわたし独自である。文法的にどう考えても[i:]が正しいと思うのだけども。
近く,HPに載せる予定。