No.17:オオチャイロカスミカメ

 忙しくてなかなか順調には更新できないでいる.


  
 05年8月1日,苫小牧市大沼公園
 雑木林の方でなく,日当たりのいい道ばたの雑草の上のものを撮影.前回のクロマルと違って,割り方大きめ.こいつも,関心の薄い人ならカメムシとは思わないかもしれない.あんまり愛嬌のある顔立ちでもないし.
 全農教『カメムシ図鑑』の写真はずいぶん黒っぽい個体である.足の色も違う.触角はあまり写っていない.眼の色と体型が同じ.でもそれだけでは同種とはとても思えない.
 「WEB東奥/とうおう写真館・あおもり昆虫記」の画像がわたしの撮ったものと完全に一致する.ポーズまで同じ.

黒褐色〜淡褐色と色彩の濃淡に個体変異がある。

だそうである.
 『カメムシ図鑑』にはそんなこと書かれていない.

体は暗色大型で,脚と触角が長い.
クヌギミズナラなどに寄生し,灯火にも飛来する.

 うーん,情報不足の感.『カメムシ図鑑第2巻』では,もっと詳しい.

大きさと色彩には変異がある.わが国の温帯〜冷温帯域では割合普通に見られる.(…)飼育すると他昆虫を好んで吸収するため,肉食嗜好が強いと考えられる.日本特産種.

 オーライ.でも脚の色合いまで変わられると困るなあ.
 そんな事情か,学名も錯綜している模様.『第2巻』から属名同定の混乱状態がかいま見られる.要するに分類が明確になっていないらしい.
 とりあえず"Orientomiris tricolor".種小名の「トリコロール」は「三色の」だから,まあそうなのだろうけど.でも一体どういう三色なのだろうか.