小特集.アトボシエダシャク.フタテンエダシャク.サラサエダシャク.
なんやかんやでバタバタしていて,出撃できず.
一応近所のコンビニをカメラなしで偵察しておく.ヨシカレハ.ドクガ*2.ノメイガ*4.
大きめのヒトリガ系のがいたが,見送り.
そろそろ自販機もチェックしようかなあ.
いうわけで,穴埋め企画.
「小特集:翅を立てているエダシャク」,蛾に対して必要以上に関心を持っている人以外には同じに見える,あまりにも地味な蛾3種である.
しかも特筆すべきネタもほとんどない.
その1.
6月24日.緑ヶ丘公園.
アトボシエダシャク.昼間撮影.逃げる蛾を追いかけながらなのであまり良くは撮れていない.採寸もできていない.
後翅の黒点が和名の由来だろう.珍しい蛾ではないという.
アトボシエダシャクは,どちらかというと「半開きタイプ」.
半開きで留まる蛾は結構いて,当日記既出組では例えばムラサキエダシャク(画像,後ろに映った姿で開き具合がわかる).ツマジロツマキリアツバ(画像)は「3/4開き」くらい.こういう蛾は遠目には枯葉の花が咲いたように見える.
その2.これは再掲.
6月30日,錦大沼公園【馬場駐車場】.
フタテンエダシャク.街灯の下での拾い蛾である.
「前翅外縁部は褐色短線を密布し,2つの黄白紋があり,翅頂部も黄白色のことが多い(『大図鑑』p.570)」とのこと.やや高地性らしい.
この蛾はかなり粘ったが,ついに翅を全く開かなかった.
そういえば,エゾヨツメ(画像)もわたしが見つけた個体はどれも翅を閉じていた.
その3.「蛾飢道談話室」から再掲.
7月14日,錦大沼公園【温泉看板】
サラサエダシャク.表側は濃い色合いらしいが,こいつも裏面しか見せなかった.おまけに採寸しようとすると逃げた.印象ではシジミチョウよりも小さい.ごく普通種.
翅を広げようが,立てようが,屋根型にしようが,妙な具合にしよう(オカモトトゲエダシャク(画像)とか)が,根本的な優劣はないはずである.優劣があるなら特定のスタイルが繁栄して,他は淘汰されるからである.
体温の保持を重視するなら屋根型がよさそうだが,まだ寒い春の夜のシャクガは翅を広げてぴったりと壁に貼り付いたりしている.
じゃあ残るは,翅を使ってどのように,とりわけ鳥に対して擬態するかという問題であるが,どうもこれも傾向性が見えてこない.はっきり言って,どう留まろうが,鳥糞にでも樹皮にでもその気になればなれる.
鳥の補食を免れたいなら,どう考えても最善の方法は,「サイズを小さくしてそこらに紛れてしまう」ことに違いない.ただし小さくなったらなったで,今度は蜘蛛やトンボからの補食圧がかかってくるのだろう.
翅をどうするのか,あるいは,鳥に食われるか小さな蜘蛛に捕られるか,そこらへんは「偶然」なのか「選択」なのか,わたしには分からない.
結局のところ,擬態だの適応だのなんて一つも考えていないような酔狂なデザインの蛾が平気で生き延びていたりする.
目的論的にぎすぎすしていなくたって,何の機能も担っていない無駄だらけだって,世界では結構生きていけるものらしい.