ホシオビキリガ.【写真日記虫】

yyzz22007-03-29

 好天.万難を排して定時帰宅の一手でである.


 まずは糖蜜作り.黒糖を溶いて焼酎と合わせる.ここで飲んでしまうと現場まで車で移動できなくなる.最大限の注意と自制心が必要である.
 黒くてドロドロした,体に悪そうな酒くさい液体になった.霧吹きに詰めて完成.


 夕方6時の錦大沼公園はまだ薄明るい.管理人小屋はシャッターが降りている.これで見とがめられる気遣いはない.霧吹き片手に公園内に侵入.


 絶対に不審者にしか見えないぞ.


 ずーっと奥の方の,道路からの光の届かない所に糖蜜を仕込むのが本来だろうが,実はクマが怖い.公園といっても奥の方はなしくずしに山なのである.
 欲張ると蛾ではなくてクマを誘引してしまうような気がする.それは困る.まして敵は冬眠明けで必死に違いない.飢えているのは蛾だけではない.
 というわけで,公園入り口から100mほど行った箇所の手頃な樹数本に糖蜜スプレー.
 周囲にわたしでも分かるほどの香りが立ちこめる.クマ来るなよ.


 一旦帰宅.暗くなるのを待つ.


 7時過ぎ.再出動だ.いよいよ本番.
 電気カンテラとカメラ.吐く息が白く曇る.大丈夫かいな.


 木立の中は思ったよりも暗い.カンテラで照らして木々をチェック.どの樹にスプレーしたかなんて大抵忘れているので適当.


 イタイタイタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!!


 カンテラの灯りにオレンジ色のキリガが浮かび上がった.

 初糖蜜成功,今シーズン初蛾.感激である.


 ブルブルと小刻みに震えている.体温維持のためのアイドリングなのか,吸蜜に熱中してのものなのかは分からない.逃げる気配はないが,カンテラやらフラッシュやらを嫌がっている感じは伝わってくる.
 翅を少し開くと,前翅の黒点がはっきり分かる.

計測.前翅長19mm.
 カンテラの光が当たらないとピント合わせができないし,光をまともに当てると明るすぎてテカる.研究が必要.コンビニの袋でもかぶせてみようかな.


 他の樹を回ってみたが,蛾影はなし.一回りして戻ると,もうどこかに飛び去ってしまっていた.どうも剣呑だと思ったのだろう.
 わたしとしてはこの1頭で十分に満足だった.


 帰宅後,焼酎の残りとワインで祝杯.同定作業へ.ホシオビキリガのようだが何しろ初見である.
 キリガの専門の蛾LOVEさんの所の掲示板に問い合わせたところ,

お写真はむずかしい2種ですね。カシワオビにも見えますが、赤みも少なくホシオビでよいのでは〜〜?と言った感じです。^^;
写真だと難しいっす^^;

とのこと.
 あ,そうだった.蛾LOVEさんのサイトには「似た蛾の比較図鑑」があった.「カシワオビキリガとホシオビキリガ(黒点型)」の項を熟読.
 うーん.決め手はないが,ホシオビキリガに見える.数をこなして目を慣らさないと難しそうだな.
 糖蜜継続を決定.クマが出るまでやろう.


 というわけで,個人的には大成功.仕事と病気以外は絶好調です.