ホシオビキリガ.【写真日記虫】
好天.万難を排して定時帰宅の一手でである.
まずは糖蜜作り.黒糖を溶いて焼酎と合わせる.ここで飲んでしまうと現場まで車で移動できなくなる.最大限の注意と自制心が必要である.
黒くてドロドロした,体に悪そうな酒くさい液体になった.霧吹きに詰めて完成.
夕方6時の錦大沼公園はまだ薄明るい.管理人小屋はシャッターが降りている.これで見とがめられる気遣いはない.霧吹き片手に公園内に侵入.
絶対に不審者にしか見えないぞ.
ずーっと奥の方の,道路からの光の届かない所に糖蜜を仕込むのが本来だろうが,実はクマが怖い.公園といっても奥の方はなしくずしに山なのである.
欲張ると蛾ではなくてクマを誘引してしまうような気がする.それは困る.まして敵は冬眠明けで必死に違いない.飢えているのは蛾だけではない.
というわけで,公園入り口から100mほど行った箇所の手頃な樹数本に糖蜜スプレー.
周囲にわたしでも分かるほどの香りが立ちこめる.クマ来るなよ.
一旦帰宅.暗くなるのを待つ.
7時過ぎ.再出動だ.いよいよ本番.
電気カンテラとカメラ.吐く息が白く曇る.大丈夫かいな.
木立の中は思ったよりも暗い.カンテラで照らして木々をチェック.どの樹にスプレーしたかなんて大抵忘れているので適当.
イタイタイタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!!
カンテラの灯りにオレンジ色のキリガが浮かび上がった.
初糖蜜成功,今シーズン初蛾.感激である.
ブルブルと小刻みに震えている.体温維持のためのアイドリングなのか,吸蜜に熱中してのものなのかは分からない.逃げる気配はないが,カンテラやらフラッシュやらを嫌がっている感じは伝わってくる.
翅を少し開くと,前翅の黒点がはっきり分かる.
計測.前翅長19mm.
カンテラの光が当たらないとピント合わせができないし,光をまともに当てると明るすぎてテカる.研究が必要.コンビニの袋でもかぶせてみようかな.
他の樹を回ってみたが,蛾影はなし.一回りして戻ると,もうどこかに飛び去ってしまっていた.どうも剣呑だと思ったのだろう.
わたしとしてはこの1頭で十分に満足だった.
帰宅後,焼酎の残りとワインで祝杯.同定作業へ.ホシオビキリガのようだが何しろ初見である.
キリガの専門の蛾LOVEさんの所の掲示板に問い合わせたところ,
お写真はむずかしい2種ですね。カシワオビにも見えますが、赤みも少なくホシオビでよいのでは〜〜?と言った感じです。^^;
写真だと難しいっす^^;
とのこと.
あ,そうだった.蛾LOVEさんのサイトには「似た蛾の比較図鑑」があった.「カシワオビキリガとホシオビキリガ(黒点型)」の項を熟読.
うーん.決め手はないが,ホシオビキリガに見える.数をこなして目を慣らさないと難しそうだな.
糖蜜継続を決定.クマが出るまでやろう.
というわけで,個人的には大成功.仕事と病気以外は絶好調です.