プレ新緑の公園にて.【写真日記虫】

 日曜の朝9時半の緑ヶ丘公園.人が多い.


 まだサクラなんか全然.池の周りはカラスだらけ,水面はカモメで阿鼻叫喚の大騒ぎ.
 子供連れがいつもよりは多いとはいえ,客のほとんどはひたすら歩き回っている老人たちだ.
 北海道のゴールデンウィークは春爛漫とはいかない.緑の芽吹き始めの時期.


 枯れたササの葉の上に異物.顔を思い切り近づけて….

クモの食事だった.相手はハナバチ? ともあれ虫撮り人にとっては幸先良し.


 それでも少しずつ公園に花が咲き始める.花が咲けば虫がどこからか現れてくる.

 ツツジは公園内で咲いているのはこの株だけ.昨年もここだけ突出していた.花は他所にはほとんどないのでかなりの競争率になるはずだ.


 こちらも春のいつもの光景.

ツツジの花芽の粘液に虫が捕らえられている.食虫植物とかそういう訳ではなく,単なる害虫防御であるらしい.モチツツジの腺毛を取り除くとひどい食害を受けるという実験があるとか(Wiki,「モチツツジ」の項).
 この木はモチツツジではないが,効果は同じなのだろう.
 追記:コメント欄で茨城@市毛さんより,キタヨツモンホソヒラタアブとのご教示.<(_ _)>.

とはいえ,くっついているのは害のなさそうなアブ・ハエばかりである.
 どんどんくっついてしまう.



 自然はどんなものも無駄にしない.ツツジのハエトリ芽に捕らえられた虫を捕食するカスミカメムシがいるそうだ(日本生態学会全国大会一般講演「植物の腺毛を利用するカスミカメムシ」).リンク切れのおそれがあるので一部を引用してしまおう.

(…)ツツジ科の低木モチツツジRhododendron macrosepalumは、葉や茎、ガクに長く粘つく腺毛を持つ。さまざまなグループの昆虫類が腺毛に捕らえられ死んでしまう。京都市近郊の二次林で調査を行ったところ、腺毛はアブラムシなどの吸汁性の植食者に効果的だが、蛾類などの植食者にはあまり効果がない可能性が示唆された。一方、モチツツジカスミカメOrthotylus gotoi(カメムシ目カスミカメムシ科)は腺毛に捕らえられることなくモチツツジ上で生活していた。(…)モチツツジカスミカメムシは腺毛に足をとられることなく、モチツツジ上を走り回ることができ、腺毛に捕らえられ死んでしまった節足動物に口吻を差し込んで摂食していた。野外での観察により、モチツツジカスミカメムシの幼虫、成虫とも、多様な節足動物の遺体を食物として利用していることがわかった。 (杉浦真治(森林総研), 山崎一夫大阪市環科研))

 画像はきどばんさんの「石神井公園のクモくも蜘蛛・蟲」から「モチツツジカスミカメ」参照.
 図鑑で調べると,北海道には分布していない.あちゃー,(つД`).


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