マダラカマドウマ.エゾベニシタバ.ムラサキシタバ.

 昼下がりにドラッグストアへ.黒糖と焼酎を買い込む.酢は買わなくてもある.
 もちろん糖蜜作りである.灯火がめっきり寂しくなってきたので,灯りにはあまり誘引されない秋のキリガ類を狙おうというもの.


 6時半頃,錦大沼公園糖蜜仕込み.
 カマドウマ*2を見かける.野外では樹に上るものらしい.
 そのままアルテンへ.風がある.ウスタビガらしい蛾が飛んでいる.クスサンよりも小さい.だが,風があるので下におりてきてもすぐに舞い上がってしまう.10分以上もシャッターチャンスを待ったが,結局諦める.
 ・コカバスジナミシャク.同定できそうもない白い蛾.


 <第1回> 19:30頃
 糖蜜現場では風がない.蛾もいない.

マダラカマドウマ
 マダラカマドウマ

 ダメなのかなあ.


 <第2回> 20:50頃

 月並みな表現だが息を呑んだ.これはカトカラだ.下翅を見せながらの食事中である.
エゾベニシタバ
 エゾベニシタバ.初見.鮮やかな紅色が目にまぶしい.
 学名は Catocala nupta nozawae .属名「下が+美しい」,小種名「結婚している」,亜種名はおそらく「野沢の」.人名か地名かは分からない.
 英名は Red Underwing .「赤下羽」である.
エゾベニシタバ
 吸蜜.こんな程度の蜜でよいのなら,幾らでも振るまってかまわないと思った.
 計測する.前翅長33mmほど.やっぱり驚いて逃げてしまった.

 別の樹に.今度は青い蛾! これは調べなくても分かる.この蛾を見られるとは! ムラサキシタバだ.
ムラサキシタバ
 さっきのエゾベニシタバより一回り大きい.逃げられるのが嫌で計測せず.
 保育社『蛾類図鑑』から.

見事な蛾で,それを得たときのうれしさはまた格別である. (p.157)

 ク○○○採りをやっている人間は,きっとこの蛾にたびたび出会っているに違いない.こういう美しい蛾を知りながら,どうして蛾にはまらないのだろう(相変わらず○○○○好きに対する偏見あり).
 学名は Catocala fraxini jezoensis .小種名「トネリコの」.でも食草は「みんな蛾」によればポプラである.それに「トネリコのカトカラ」って地味過ぎなネーミングのように思う.
 でもリンネの命名なので誰も文句を付けられない.
 英名は Clifden Nonpareil .「クリフデン(アイルランドの街だと思う)の逸材」.昔は主たる産地がアイルランドだったものらしい.
ムラサキシタバ
 3枚撮ったところで逃亡された.さらに別の場所にもう1頭いたが,撮る前に逃げられた.

 これでキシタバが出てくれば色合いとしては完璧なのだけどね.


 ・9時半頃,もう1回出撃するが蛾影なし.


 キリガはまだ早かった模様.だがカトカラはさすがに美しかった.人気の高い蛾なのがつくづく理解できた.
 こんな収穫を上げられるなら毎日でも糖蜜をやりたいくらい.でも,あれは樹にはきっとよくないだろうな.頑張らない,欲張らないをモットーに,ほどほどに….