06年の積み残し(4).カブラヤガ.

 昨日の記事の続き.06年10月4日である.


カブラヤガ
 これはカブラヤガ.前翅長16mm(学研『日本産幼虫図鑑』では「開張16〜20mm」(p.219)となっているが,前翅長の誤りだろう).
 楔状紋,環状紋,腎状紋がくっきりした,絵に書いたようなヤガ模様である.


 幼虫はいわゆる「根切り虫」である.「根切り虫」には2通りあって,一つは地面の中で本当に根をかじるもので,コガネムシの幼虫.
 もう一つが昼間は地面の中だが,夜に出てきて根元の茎をかじるもの.こちらはこのカブラヤガやタマナヤガの幼虫である.検索すると,わらわらとヒットする.
 別段,蕪を専門に狙うわけではなく,「みんな蛾」によればあらゆる植物をかじるという感じ.和名は英名の「Turnip Moth」からであろう.
 「UK Moths」では次のように記述される.(Yahoo!翻訳による)

幼虫は地下で生きて、根野菜、草本の植物と他の栽培された収穫の根を餌にします。小さな苗の撮影を噛み切る彼らの破壊的な習慣は、名前『ヨトウムシ』を引き起こしました。

 「ヨトウムシ」の部分の原語は「cutworms」である.なるほど.ちなみに「撮影」は「shoot(新芽,若い茎)」.
 「cutworm」の破壊振りはサイト「K's Natural Living 〜花のある暮らし〜」の「茎ポッキリ!ネキリムシ」を参照されたい.


 学名はAgrotis segetum.
 属名は「農婦」.女性名詞なので小種名の語尾が「-um」なのは妙であるが,おそらく名詞「seges(耕地,作物)」の複数属格なのではと思われる.