オサムシ勉強会.

 事の起こりは6月10日記事へのKUMAさんからのコメント.

だいぶお疲れのご様子ですね。
キタクロオサムシがエゾアカガネオサムシになっていますよ♪

 えええええ.
 サイト「日本のゴミムシ」「ゴミムシ&雑甲虫掲示板」の管理人にして,好著『探そう! 北海道の虫』(北海道新聞社)で「北海道のオサムシ19種のコンプリート画像」を提示したKUMA氏にとっては,キタクロとエゾアカガネの違いなどは一目瞭然なのだろうが,なし崩しに蛾屋になってしまったわたしにとってはそうではない.だいたいが甲虫は謎の世界である.
 この2種については昨年悩み抜いて,結局よく分からなかった記憶さえあるのだ.


 今回,「これがキタクロオサムシである」と教えていただいて,少し光明が差した.
 という訳で勉強会.
 普通に見かけるオサムシは3種.


 まず,エゾカタビロオサムシ
エゾカタビロオサムシ
 6月10日.背中の模様が筋目弱の点々くぼみなので,これは間違えない.大きくて立派である.


 問題の,エゾアカガネオサムシとキタクロオサムシ
 まず背中の様子について,全身図と対応する『原色日本甲虫図鑑2』(保育社)の記述とを列記する.


 エゾアカガネオサムシ
エゾアカガネオサムシ

第一次間室は強く隆起した鎖線,第二次間室は強い隆条となるが後半で顆粒列になる. (※アカガネオサムシの項)
……
第三次間室は不規則な顆粒列を形成.(※エゾアカガネオサムシの項)
 (p.16)


 キタクロオサムシ
キタクロオサムシ

上翅の間室は均一で平滑.(※クロオサムシの項)
 (p.21)

 要するに,瘤が強く不規則気味に盛り上がっていればエゾアカ,筋並の高さできれいに並んでいればキタクロ,と大雑把に判断していいようだ.もっと珍しい種に対しては全体の形とか何となく違うとかから調べ直せばいい.


 次は胸背や頭部の違い.同様に列記.


 エゾアカガネオサムシ
エゾアカガネオサムシ

頭部はかなり密に点刻され,複眼は大きく強く突出する.……(前胸背板の)上面はふくらみが弱く,密に強く点刻され,正中線は細いが明瞭… (※アカガネオサムシの項)
……
前胸背板には点刻が融合した横じわがある. (※エゾアカガネオサムシの項)
 (p.16)


 キタクロオサムシ
キタクロオサムシ

頭部は点刻を欠くことが多く,ある場合もほとんど複眼間に限られ,特に頸部は弱い横じわのみ… (※クロオサムシの項)


前胸背板は…不規則に点刻され,少なくとも中央部には横じわがある. (※キタクロオサムシの項)
 (p.21)

 ここら辺は後からの接写画像チェックによらないと使えないだろう.
 結局,初心者としては当面背中具合で判断していくしかなさそう.


 というわけで,15日の芋虫を捕まえたオサムシはエゾアカガネオサムシに一票.
エゾアカガネオサムシ
 違っていたら訂正します……(ノД`).


 この夜は雨.蛾撮りはお休み.