ナミシャク特集(14),エゾヤエナミシャク.

 前回のヤエナミシャクがレウマプテラ属(Rheumaptera)なのに対して,エゾヤエナミシャクは外見の類似にも拘わらず別属のPhilereme属(フィレレーメー,と発音するのだろうか)である.
 話のついでにエゾヤエナミシャクの学名に触れてしまおう.
 学名は Philereme corrugata .
 属名は「philerēmia 孤独を愛すること」.由来は分からない.そんなもの始めからないのかもしれない.種小名は「皺だらけの」.これは波模様から.



 08年07月13日.前翅長14mm.

 08年07月15日.11mm.
 ヤエナミシャクとどう違うかといえば,講談社『蛾類大図鑑』から.

外見上はヤエナミシャクに似ているが,♂の後翅後縁部に毛塊がなく,前・後翅とも外縁部が赤みをおびず,波状線の屈曲が弱く,前翅前縁部には黒褐色斑を2個あらわす.
(p.480)

 さらに,これはどこにも書かれていないが,「みんな蛾」の「エゾヤエナミシャク」,「あおもり昆虫記」の「エゾヤエナミシャク」の画像を見ると,翅型がヤエナミシャクよりも細長いと思う.


 何をこだわっているかというと,エゾヤエナミシャクの画像資料が少ないので同定に不安があったりするのである.


 海外サイトを学名で検索すると,この蛾は最近まで「Philereme vetulata」種(日本には分布していない)のcorrugata亜種とみなされていて,それが種に格上げになったもののようだ.
 「Philereme vetulata」なら沢山ヒットする.だが,例えば「Lepidoptera and some other life forms」の「Philereme」からあちこちの画像へジャンプしてみても,どうも違う.やはり見かけで別モノであって,あまり参考にならない.


 というわけで,エゾヤエナミシャクの情報を募集中です.
 m( _ _ )m オナガイイタシマツ.