ナミシャク特集(48).アキナミシャク.
やっぱりわたしの人生は失敗だったような気がするのだが,あまり欲があるわけでもないから,とりあえずあまり困ってもいない.他の人たちの半分の内容しか生きられなかったのは仕方ない.こんなものである.若い頃にもっと本を読んでおけばよかったと思うばかりである.
というわけで,ナミシャクの続き.あと8回.これとEmmet本だけではオフを乗り切れない.その時になれば何かしらネタは出てくるだろう.
季節は巻き戻って秋から冬へ.
アキナミシャク.07年11月4日.前翅長19mm.
嬉しくなってしまうほど地味な蛾.「枯葉」を通り越して,石や,樹幹の白く固まった地衣に適合するスタイルである.
翅はいかり肩.前翅を控えめに開いて後翅を覆ってとまることが多い.釣り鐘の形.
横から.
同日.同個体.
アキナミシャクの学名は Epirrita autumnata .
属名は「epirrheō (次々と)流れてくる」から.種小名は「秋の」.そのままである.
英名も「Autumnal Moth」.「UK Moths」を見ると,イギリスにはEpirrita属の「November Moth(E.dilutata)」・この「Autmnal Moth」・「Pale November Moth(E.chrystyi)」の3種がいて,命名にも芸がないのだが,のみならず互いに類似して同定困難であるようだ(項目「November Moth」から).
もう1つの別々のEpirrita種の標本の最も悪いマーク性器を参照することで識別されるのは難しい。
イギリス諸島の大半は広く、配布されていますが、その正確な分布の詳細は、他のEpirrita種で混乱してぼんやりしている。
(「Autumnal Moth」から「google翻訳」で)
要するに切らないと同定できない,同定できないから分布もよく分からないということだろう.
日本には「アキナミシャク」と「ミドリアキナミシャク」(次回)の2種しかいないのでそういう問題はないのかというとどうもわたしは疑っているのであって,片っ端から切りまくれば別種が見つかるのではないか.