ケイさんとyubaさんからのメール。セダカシャチホコ。ウラベニエダシャク。キシタバ。ゴマフリドクガ? オオマエキトビエダシャク。リンゴアオナミシャク。クワキジラミ。不明アツバ。リンゴドクガ?
というわけでyyzz2でした(こういう具合に過去形で挨拶するのは北海道方言らしい)。虫撮りは仕事で心身がきつくてサパーリ行っていない。
というわけで,今回は励ましの虫画像メールを紹介。
いつもの「ケイの言ってみようか!」の神奈川のケイさんから。政治的にもギャンブル的にも,おそらく理想とする生き方についてさえも全然考えが違うのだが,彼にはしょっちゅう励まされている。
蛾にハマってしまうことは彼の人生に何のメリットもないだろうから,こちらはかなり心配している。ハマったらダメだよ。もっと他になすべきことがありそうだから。
でも1枚目。7月はじめの撮影。
セダカシャチホコ。大きさに驚かされたという。苫小牧でもぼちぼち出てきているはず。確かに大きい蛾で,地面に落ちてバタバタするときの痛々しさもオオミズアオなどと共通する。
冠毛の中に年寄りの顔のような模様が見えているが,そういう縁のある個体なのかも知れない。
コンビニ撮影だなあ。大丈夫だったのだろうか。人々はそのような挙動に激しく不審の目を向けるはずである。
この前のセダカシャチホコなみにでかいやつで、作業場で飛び回っていたのを必死に追いかけて撮りました。撮ったあとはもちろんにがしました(・∀・)
とのこと。どうもでした〜。
これなら分かる。キシタバである。このグループは翅を閉じてしまうとどうしようもなく地味なのだが,意表をつく下翅の鮮やかさが売りである。キシタバは上の裏面の画像から分かるように,黄色の帯が走っている。でもあまり見せてくれないようだ。
5枚目。
うーん,ゴマフリドクガかチャドクガか。ゴマフリかチャかというのは安全性の問題では大きいのだが,きっとゴマフリドクガだろうと思う。どちらも北海道には分布していないので,現物は未見である。
6枚目。
オオマエキトビエダシャク。わたしは「オオ」のないものとしか出会ったことがない。その時の測定で前翅長が12mm。「オオ」付きはそれよりも一回りだけ大きいらしい。
こういう小さな蛾を顔を近づけてのぞき込んだり,カメラで撮ったりして,そこに鮮やかな,思いも寄らぬ模様を見いだすのが蛾探しの大きな魅力の一つだと思う。
一部の人たちの密かな楽しみにしておいてもいいのだが,もっと多くの人に蛾に親しんで貰わないと「駆除の対象」にしかならないからねえ。もう少し認知度が高まりますように。
もう1通。以前レポートを書いた,「玄米ごはんのじょじょ-JOJO」のyubaさんから。彼女は札幌の手稲区を代表する蛾好きであって,同定力はわたしと大差ない。
というわけで,難度の高い添付画像。
1枚目。
ナミシャクの後ろの方,ポスト-カバナミなのは確か。外横線の感じからリンゴアオナミシャクじゃないかと思う。
※「みんな蛾」にちょうどがいすとさんの投稿。このグループはリンゴアオナミシャクのグループにまだ未記載か未記録の種が混じっていることが知られています。ずっと前にKawaさんが交尾器の図を出されたときに図鑑とうまく合致しなかったのはそのせいのようです。このグループを再検討されていた井上寛先生が昨年亡くなり、あちこちの研究者が送った研究標本もすでにイギリスの自然史博物館に納められてしまったため、日本の研究者は手も足も出ません。もう一度、みんなで手分けして日本全土で標本を採りなおして地盤を固め、このグループを調べたい!という人が出るまで待たないといけないので、なかなか大変な状況です。
いやいや,たいへんだなあ。日本国内では標本を蒐集管理できる体制がまだ弱いのだろうと思ったりする。だとすればみっともない話。文化的なものにきちんと金をかけて一目おかれないと日本なんてすぐに滅ぼされてしまうよ。漫画みたいなアングラはどうでもいいのだけど。
3枚目。
ドクガの擦れ。スギドクガかリンゴドクガか。外縁部の黒点列からリンゴドクガと見るのだが,どうだろうか。
これは非蛾。何だか荒廃した風景である。桑の葉の裏とのこと。
どうやらまだ若いクワキジラミであるようだ。白い糸くずみたいのは幼虫の出す蝋物質。糸の先端に小虫が付いているのが見える。
お店のHPに隠しページを作って蛾のコーナーを設けたらいいと思うだが。
どうもケイさん,yubaさん画像ありがとうございました。
札カラ研会長のブトボソさんからも来ているのだが,これがまたヘビーな毛虫画像であって,これはちょっと項を改めて,近々に取り上げたく思います。