東北地方太平洋沖地震

 この世界がただただ無常なだけなのは頭では分かっていたが,それでも今回の地震には暗然とさせられた。ただ『方丈記』の描写を思い出していた。
 自分はたまたま北海道にいて,たまたま平穏な日常を過ごした。たまたまそういう縁だったからでしかない。
 「みちのく会」に3度参加して,東北の幾人もの蛾屋さんたちと出会うことができた。
 あの人たちが今どうしているか,どうなっているかは,今のわたしの場所からは分からない。わずかな知り合いの安否の背景には,既に実現したおびただしい死がある。
 命は変化する五蘊の寄せ集めでしかない。
 突然断ち切られた人々の,あるいは動物や虫たちの,来世がより知恵に満ちた安らかなものになりますように。