本の帯のアイキャッチ2題。
虫ネタじゃないので畳んでおきます。宗教ネタです。
田川建三『新約聖書 訳と註 1 マルコ福音書/マタイ福音書』(作品社)の帯が秀逸。
マルコのものはマルコへ,マタイのものはマタイへ
もちろん,イエスの「カエサルのものは…」のもじりだが,この本の狙いを見事に表現している。これはきっとイエスが語った言葉としてもおそらくおかしくない。
一方,スマナサーラ『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章』(佼成出版社)。
人生は論より正悟
駄洒落がいけないという訳ではないし,確かに「論より正悟」でそれはそれで正しいのだけれども,どうなんだろう。
なんだかコピーだけ読むと,「(無思考の)禅仏教」や「(判断停止の)本覚思想」といった日本では馴染みの臭いがする。語られているのは徹頭徹尾,理性的な観察と判断の大切さなのだけどなあ。
勘違いして誘い込まれるのも仏縁だから,まあいいや。