クロカワゲラの類。

yyzz22011-12-31

 朝から『Botanical Latin』を調べたり,写真フォルダを開いたり。
 まだ貼っていないベニシタヒトリが,どうやら「ホシベニシタヒトリ♀」だったことに気付くが,そちらについては明日のブログで。


 陽が差して暖かめの天候が2日続いた。錦大沼へ虫撮りに行こう。数ヶ月ぶり。


 正午少し前に出発。
 クスリ抜き3日目。階段を駆け上がった時のように心臓が動悸を打ち始める。「仕事がアレなのに虫撮りに行くこと」に強い不安を感じているらしい。でも4日までは出勤しなくていいし,とりあえずそれまでに済ませておかねばならない仕事もない。
 こんな調子では来シーズンも結局ダメなのかもしれない。


 スリップしかけながら錦大沼公園着。駐車場は除雪されていて,先客が1台停まっている。


 カメラに脚を付けて,駐車場トイレから探索を始める。

 高さ2メートルちょっとのところ。位置的に四脚獸のものとは考えられないので,大きめの鳥のペリットか糞。


 すぐにクロカワゲラを見つける。冬前半はこのような小型で無翅のものが歩いている。
クロカワゲラの類 Capniidae
 7mm。川からやや離れた場所。大丈夫なのだろうか。冬だし。
 正面に回り込むと,何か食べているらしい。
クロカワゲラの類 Capniidae
 わたしの技術ではこれが限界。サイズから考えて,どうやらユスリカのようだ。捕食したものか死骸を見つけたものかは分からない。
 この「セッケイカワゲラ」が,クロカワゲラ科一般なのか特定の種を差すのかは分からないのだが,NTTコムウェア「COMZINE」の2004年9月「かしこい生き方のススメ 第16回幸島司郎さん」によれば

ところがこのセッケイカワゲラは雪の上を何ヶ月もうろうろしながら、春の雪解けまで生きている。しかもセッケイカワゲラは口も消化管も立派だし、上陸した時点では、メスはまだ卵が産めない状態なんです。雪の上で微生物を食べ、生活していくなかで成熟していく。そうして、雪が融けて埋もれていた川がオープンになった時に、初めて交尾して産卵する。

とのことである。錦大沼のような平地はもっと豊かな環境であるはず。ユスリカやトビムシなら,気長に歩いていれば出会うチャンスは少なくないと思う。この時期の川辺は捕虫をもっぱらとする小鳥を見かけないから,クロカワゲラは生態系の頂点に位置するのだろう。
 ところで上記リンクでは,「セッケイカワゲラが上流方向へ移動する」ことが述べられているが,樽前界隈のクロカワゲラは好き勝手な方向に歩いているようにしか思えない。性的に成熟する頃に川へ向かうのだろうか。


 カワゲラの食事光景で十分に満足し,探索はもうどうでもよくなった。わたしの虫撮りは欲張らないのが基本である。
 雪道のそこかしこにカエデの種子。

 雪だるま。


 その後10分ほどカワゲラのように歩き回って,クロカワゲラとクモの類を1頭ずつ。