ハマキガの類。オカモトトゲエダシャク。

 ええと,仕事の話はやめておこう。


 というわけで,雨が通り抜けて暖かくなった。糖蜜をしようと思った。
 車の中から昨年の黒糖スプレーの残りが出てくる。そこに桃のチューハイを投入する。「みちのく会」で「桃ジュースがいい」と聞いたからである。せっかくだから砂糖と酢も足す。何か不愉快なものが出来上がった。
 蛾がどう考えるかは別問題。幸運を信じよう。


 19時少し前に出撃して,19時ジャストに錦大沼公園駐車場に着。


 例年の糖蜜ポイントの雪は融けている。有り体に言って「ぬかるんでいる」「水がたまっている」。こんなところで転ぶと二度と社会復帰できないだろう。しかも夏靴である。

 とりあえず足を踏み込めるところ4箇所ほどにスプレー。桃のにおいである。冬みかん以外の果物は皮をむくのが面倒なので嫌い。手間暇かけて美味しいものを食べるグルメではわたしはない。ドライフルーツは手が汚れないので好き。


 さて時間つぶし。アルテンに行ってみよう。
 この時期だったら,いてもトサカハマキか,なんだかマルハキバガだろうなと思う。


 ああ,やっぱり越冬ハマキだ。しかも背景とのコントラストがなさ過ぎ。

ハマキガの類
 前翅長12mm。第一感でトサカハマキなのだが典型的な模様ではない。こんな明瞭な黒線が走ったものは初見である。
 ハマキガの類ということにとどめて保留。
ハマキガの類
 翅の中央に鱗片が白く立っているのが分かる。
ハマキガの類
 さらに横から見ると,冠毛もあるし,前横線あたりにも毛が立っていてゴテゴテである。適応上の機能は皆無だと思う。自然は結構テキトーであるというのがわたしの自然観である。

 もう少し歩く。
 街灯の下の融け残った雪に小さな蛾が羽ばたいている。頭が大きく白い首輪が見える。マルハナバチっぽい。撮影失敗。飛び上がってしまった。
 灯りの回りをぐるぐる回っていつまでも降りてこない。仕方ないのでそのまま撮り。
オカモトトゲエダシャク Apochima juglansiaria
 なるほどなあ。オカモトトゲエダシャクだ。この蛾のことをすっかり忘れていた。
 北海道では厳密な意味での「春一番の蛾」。越冬ものではない新もの。わたしの手持ち苫小牧データでは最速4月8日,最終4月30日。4月限定の蛾といってよい。
 この夜,別の灯火にそれらしい蛾を他に2頭。今夜がピークだったのかもしれない。


 さて,トーミツはどうだったかといえば,スッカラカンである。
 毎年,一発目は上手くいかないんだ。


 翌日は雨。わたしの経験では,雨の前夜の糖蜜は不調に終わることが多い。今回もそういうことだと考えておこう。