カギバガの触角の確認(1)。マエキカギバ。
というわけで,虫撮りに行く余裕も気力もありません。11月中までイベント関係,それからすぐ3年の期末考査と成績処理が待ち受けています。今年はすっかりダメですね。春になったらそこそこの確率で転勤があるでしょうから,もうどうなるか全然分かりませんです。
数ヶ月は仕事逃避のデスクワーク蛾屋としての活動になると思います。
というわけで,とっとと冬ごもりモードで当ブログは進行します。素敵ですねえ。
ところで,蛾の♂♀の区別方法は
- 模様や翅型が明らかに違う。
- 触角の形が違う。
- 大きさが違う。
- 交尾器が違う。(それは当然そうだろうねえ)
なのだが,4は撮り人には×,3も測ると微妙であってボーダーが結構いる。1のタイプは特定の科に偏る。
2はどうなのだろうかと言えば,野外の現場では触角のことなどキレイに忘れているのが常であって,触角部分の撮影を怠ることもしばしばである。
というわけで,手持ちの蛾像を点検してみようと思う。標本を作っている人なら簡単なのだが,撮り人的には意味のある営為なのである。
というわけで突然ですが,カギバガ亜科の触角チェックをします。カギバガは触角の形状と属とが比較的対応していて,種類も少ないので楽なのです。
【マエキカギバ Agnidra scabiosa】
♂触角 | ♀触角 | |
---|---|---|
保育社(1958) | 両櫛歯状 | 糸状 |
北隆館(1965) | 櫛歯状 | 絲状 |
保育社改(1971) | 両櫛歯状 | 糸状 |
大図鑑(1982) | 櫛歯状 | 単純 |
標準図鑑(2011) | 櫛歯状 | 糸状 |
触角については図鑑の差異はあまりない。標本を調べれば明らかなのだろう。
櫛歯マニアの人は堪能できたと思うが,困った。「糸状」の触角が見あたらない。
ということは,わたしの撮った個体はすべて♂ということ。偏り過ぎである。真っ先に思いつく可能性は「♀は走光性が弱く,灯火にあまり来ない」。
かくして他所のサイトの蛾像を検索。触角を隠しているものが多い。やっと,atarayoさんの「四季綴り@コンデジで虫撮り」の記事「ガ、5種類。」のマエキが♀っぽいのを見つける。
でもこの蛾像はおそらく日中のもの。灯火の件は不明である。
というわけで,情報を募集します。
「マエキカギバの♀を灯火採集したことがありますか?」
コメントいただけると幸いです。(twitterにも書き込みました)