ウスベニスジナミシャク。カバナミシャクの類。
※5月11日うp。
日曜の振り替え休日。午前中は小雪。警察へ自動車免許の住所変更を届けたり,ビュフォンの評伝を読み返したりして過ごす。
おかげで,わたしの頭の中ですっかり「属」になっていた“genus”が,存在論的には「類」であることを思い出した。個物は普遍から流出するのであって,なるほどリンネの二名法において属名が種小名よりも重視されるわけである。ビュフォンはそういう形而上学を嫌って,生物の名前はすでに呼ばれているものを用いるべきとしているとのこと。
天気予報通りに午後から晴れた。道路の雪も溶けている。出撃せねばなるまい。
少し風がついている。わずかな風であっても,飛ぶ力の弱い春先の蛾には厳しい。
やっぱり風にあおられている。
ウスベニスジナミシャク。早くも緑があせている。この蛾は苔色が残る間は美しいが,あせるとあまりにもありきたりの蛾になってしまう。
いたいた。春のゴミシャク。
14mm。ウスカバナミシャクかナカオビカバナミシャクかどちらか。これは切らないとどうにもならない。というわけで,Eupithecia sp. で整理。エウピテーキアとは「可愛い小人」の意。何かそういう実体が実在するのである。
カバナミシャクを必死で撮るのはまだ春先だからである。それにしても,わたしは遠軽でどのくらい蛾を撮れるのかまだ信用できないでいる。