第41回「みちのく会」私的報告。

 文献読みは休み。2月21〜22日の北日本の蛾屋の祭典「みちのく会」の話題。
 
 福島である。福島が遠いのではない。わたしの住んでいる遠軽が遠いのである。前日から出発せねばならないし,女満別空港へは北見から連絡バスをつかうのだが,北見⇔遠軽の公共交通がほぼゼツボー的なのである。23日の月曜は仕事を休みにくい。年次有給休暇の残りががすでにあぶないからである。
 キューキョ嫁を苫小牧から呼び出して北見まで送り迎えさせることにする。これで,目的地までは嫁運転を入れて7つ乗り継ぎ*1となる。ゲンナリするというよりは,死にそう。乗り遅れに対する異常な恐怖心を持つわたしは,もとより旅行嫌いでしかない。
 
 女満別空港はボイスロイドの結月ゆかりがマスコットキャラになっていて,立て看が1つ,顔出し看板が1つ。ただぽつんと置いてある(http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im4194248?track=seiga_illust_keyword または http://www.mmb-airport.co.jp/news/20140813.html の4番)。

 売店にグッズなどはもちろんない。ミクだらけの千歳空港には足下も及ばない。
 
 飛行機を降りて,夜中にホテルについて,電車に乗っているとSさんに会えたので会場に着くことができた。
 福島は雪がない。川にはカモがかぷかぷしている。遠軽ならこれは5月である。
 会場周囲を散策したがカワゲラばかり。

 蛾屋さんたちが会場にわらわらと。会議室はたちまちに蛾的空間である。人々の前頭葉は蛾と採集旅行と蛾の本と一部(高齢化が進んでいるので)病気のことばかりの決壊寸前の濃ゆさであるように見えた。
 いきなり全員に三角に固められたナフタレンが配布される。このナナメ上さがみちのく会の美徳である。でもわたしはいらない。
 
 恒例(≒因習)の「一人一話」。近況報告である。
 多くの蛾屋さんが各県ごとのFauna(動物相,ここでは蛾)の調査を進めている模様。こういう基礎的な知見の蓄積が大切らしい。
 わたしのように頭が200年前の人文蛾屋(フィールドはもっぱらBHL)は黙っているのが吉である。
 
 部屋は「愛宕」。「艦これ」ごっこができる。

 函館のKBさんとオオモンシロチョウの話。最近はモンシロが盛り返してきて,オオモンシロは土着の普通の蝶のような顔をして混ざって飛んでいるという。
 
 その後は記念写真を撮られたり,エビを食べられない食事をしたり。MNさんから学名の記事をもっと更新するようにいわれたり,KDさんからミノガの幼虫を集める話を聞く。
 
 二次会は阿武隈の間。

 オークションは今回はお休み。お菓子を腹に詰め込む。血糖値のことは知りません。
 早めに抜けて温泉。KDさんが後から来て,モンゴル人が豚肉を食べる話をして先に出ていく。
 
 愛宕に戻ると,いつまでも同定依頼作業から抜けられないというOさんが体調悪そうにしている。TVは超常現象について放映している。
 
 翌朝。目覚めたのが7時を回っていたので寝過ごしである。疲れていたものらしい。
 朝食時,筋向かいに座って何かを食べていたKIさんから,大英博物館で働いていた昆虫学者についてまとめた本があることを教えてもらう*2
 
 2日目午前は「話題提供」。研究等報告である。

  • 「ヒトリガ本ただし美麗種に限る」の出版について。ヨーロッパでは累代飼育による品種改良が盛んに行われていて,無地のヒトリガやら赤紋がやたらに大きいパルナシウスアポロが生み出されているとのこと。彼らが自然を管理していく感覚は日本人にはついて行けない。
  • よく分からないアオシャクについて。
  • タラノメモグリガの正体について
  • ミャンマーでの蛾の採集。
  • モンゴルでの蛾の採集。

 次シーズンのわたしはせいぜい「瀬戸瀬無人駅での撮影」だなあ。丸瀬布すら遠い。目が回る。
 
 帰路はひたすら帰るだけ。福島の女子高校生で短いスカートが様になっている者は皆無とおぼしい。待ち時間はWalkerのコピー読み。途中,東京駅と上野駅を間違えるが大過なし。
 飛行機から降りてバスに乗って,嫁の運転でブラックアイスを1時間半乗って家着が22時頃。明日は仕事。入試台帳作り。ああ。
 
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*1:遠軽−北見−女満別−羽田−浜松町−東京−福島−飯坂温泉

*2:翌日すぐにメールで文献表を送っていただいた。感謝。というわけで,当ブログのWalkerについての記事は大きく遅れる予定です。