秋の落ち葉を踏んで.【写真日記虫】
公園は一面の枯葉.その上の地面近く,沢山の薄茶色の蛾がひらひらと低く這うように飛びかっている.モンシロチョウより一回り小さい.虫がこんなに飛んでるなんて,思ってもいなかった.彼らが今シーズンの本当のアンカーらしい.
枯葉を踏んで群れに寄っていこうとすると,すーっと逃げてわたしの前の蛾の密度が低くなる.離れた所から飛んでいる様を撮ろうとしても,枯葉の色に混ざってしまってよく分からない写真になる.
時々,樹から落ちていく葉が大きな影になって視野をかすめていく.
仕方なくじっと動かずにいると,虫が慣れてきて今度は向こうから近づいてくる.それなのに,カメラを向けるとやっぱり飛んで逃げていく.撮影には許可の申請と上の方のハンコが必要らしい.
ようやく逃げない個体を発見.かなり翅がスレていて,横線がはっきりしなくなっている.種名を同定するだけの材料がなさそう.顔立ちは悪くない.逃げないのは彼の性分なのか(逃げる虫と逃げない虫との違いは個体差としか言いようがない),弱っているからなのか.
花壇にはまだ少し花が残っていて,ハナアブの類がちらほら来訪している.
いつもの奴が2,3頭.少し珍しいのが1頭.ひょっとしたら蝿なのかもしれない.きちんと畳んだ翅にツマグロが入っていて,複眼が縞である.
カメムシは見つからない.子蜘蛛が目立つ.
バーベキュー設備裏手のポリバケツの上に,小さなカニグモを見つける.見ると,1頭だけでなくあちこちに同じのがいる.ここら当たりで孵化したものか.横の物入れ小屋の屋根から糸が下がっていて,数頭の子蜘蛛たちがぶら下がったり落下したりしている.
糸を出してめいめい外界に散っていくところらしい.上昇気流に乗って舞い上がる陽気ではないので,地道に歩いていくのだろう.こんなに小さくて(5㍉ない)越冬できるのだろうか.
以前撮ったカニグモ(ふ○ばの虫板で専門家から「アマギエビスグモ」との同定をいただく.感謝)と模様が似ている.きっと同じ種類だろう.
同じポリバケツにユキムシが所在なげに止まっている.カニグモ子よりもほんの少し大きい.
ぐるっと池の方を回る.池に鴨が沢山いるが,茂みをのぞき込んでもカメムシも甲虫もいない.弱った感じのアワフキが標柱を昇っていたぐらい.
トンボを1頭だけ見た.あれだけいたトンボもどこかに行ってしまった.
「熊注意」の看板の側面に小さな蜘蛛が2頭.晩秋は小蜘蛛日和.こっちは虫板への予定.中腰での撮影が相当しんどい.
1ギガのCFなので180枚以上撮れる.でも結局60枚ほど撮ってこちらの体力がアウトになった.