枯葉の上の生,花の上の死.【写真日記虫】

 土曜日,朝から憂鬱で休日出勤を明日に繰り延べ.どうせサービス出勤でしかない.


 思い出して,庭に放置してあったコンビニ弁当の容器を調べる.水が溜まっていたはずなので,ボウフラの類が残ってはいないかと思った.
 いなかった.トビムシが2頭いただけ.写真では大きな眼があるように写っているが,左から像には眼がない.汚れか,模様からしい.大きな眼があるのとないのとでは「かわいさ」がだいぶん違うので残念.
 


 樽前山の裾野の錦大沼公園へ.思ったよりも人出があって,公園にはトレーラーが何台も止まっている.何かイベントがあるわけではないらしい.最後のささやかな秋の家族連れの行楽といったところか.
 枯葉ばかり.中背の下草がもう枯れてしまって,枯葉に覆われた地面が明るく見通せる.ほんの近いところで,青みがかった灰色をしたゴジュウカラが樹を伝っていたりする.スズメより大きめで樹に貼り付いているのでわたしにでも分かる鳥.


 ここでも,おとといの記事で触れた薄茶の蛾が沢山飛んでいる.とにかく枯葉の上を低くヒラヒラと飛びかわしている.連中の食べるものはほとんどない.食草のことを考えている様子でもないから,卵はそこらにばらばらと産むに違いない.そして,卵で越冬し,春に孵化した幼虫はきっと何の葉っぱでも食べる芋虫なのだろうと勝手に考えたりする.


 枯葉をかき回すとコモリグモの類が次々と飛び出してくる.連中はどうにも写真写りがよろしくない.炭で汚れたような感じ.もっと体がてかてかしていたり,目立つ模様があったりすればいいのだが.
 
 枯れかかった草にハネナガマキバサシガメ.どういう越冬の仕方をするのだろう.あまり獰猛さを感じさせない弱々しいサシガメ.
 


 落ち葉の上にタマフシを見つけた.夏の間は,お菓子のように赤くてきれいだった奴だ.秋には枯葉に合わせて色が変わるらしい.もとが植物の組織なのだから.熟したというところか. 依然としてお菓子や果実のように見える.このまま雪の下で生き続けて,春になるとここから小蜂が飛び出す.
 


 まだ花が少し残っていて,もっぱらハナアブ類の余生をつなぐ糧になっている.花の上で死んでいるアブを見つける.死んでかなり経っている模様だが,花は平気できれいに咲いている.
 花にやっとたどり着いて事切れたらしい.死ぬ前に十分な食事を楽しむことができたと思いたい.