トラフツバメエダシャク.クワエダシャク.キタウンモンエダシャク.ハガタベニコケガ.【写真日記虫】
世の中の子供は夏休みに入ったらしい.夜9時.蛾撮りポイント界隈を親子連れが複数歩き回っている.キャンプ客のクワガタ採りである.
クワガタムシにはあまり関心がない.北海道に分布するクワガタは4種類ぐらい.姿や生態も,少なくとも成虫に関してはだいたい知っている.となると,「大物探し」ぐらいしか争点がないと思うのだが.
<温泉看板>
というわけでここにもミヤマクワガタの♂が貼り付いている.近くに懐中電灯を下げた親子連れ.せっかく蛾がいい案配に看板に来ているに,クワ採りごときに荒らされてはやっかいだと思った.足下に落ちているエゾシモフリスズメが踏み殺されかねない.先手を取ろう.
「クワガタですか〜」と声をかけて回収してもらう.親子はこちらのことを親切なおじさんだと思ったらしいが,こちらの内心は「とっととあっちへ行ってよ.蛾を撮る邪魔だからさあ」である.
というわけで1頭を人身御供に差し出して撮影開始.
まずはキレイ所から.シャクガの類.
トラフツバメエダシャク.前翅長は18mm.毒々しい感じがほとんどない.昼間に飛んでいれば蝶だと言われても違和感がないだろう.
壁にぴったり貼り付いているポーズはさすがに見慣れた蛾のそれだが,シジミやタテハだって,時々はそんな翅の拡げ方をしているではないか.
学名は"Tristrophis veneris",「3つの帯+ヴィーナスの」.そういう名前を持っていることが分かると,この蛾への見方が少し変わったりする.
エゾシモフリスズメが3頭.わからない小さい白い蛾が数種.
初ヨツボシホソバ.♂2,♀1.わたしの頭の中ではヨツボシホソバとアマヒトリとドクガが観念連合している.来週までには後ろ2種も出てくることだろう.
クワ採りの子供連中はおそらく,どれがドクガでどれが違うか分からないだろう.機会があれば教えてやってもいい.知識がない限り,彼らはあらゆる蛾を恐れ続けるだろう.
中型の黒い翅の長い蛾.キタウンモンエダシャクに似ているが淡色部が異なっている.
あれこれ調べてクワエダシャク.前翅長は24mm.差し渡しが5cmになるから,なかなか立派である.しっかり描かれた横線と,翅の色あいのメリハリがくっきりしていてなかなかの美麗種と見た.
比較のため,キタウンモンエダシャクも貼っておく.7月16日撮影.
キタウンモンエダシャク.黒地が外横線からはみだすと「キタ」がつくようになる.白っぽいボヤボヤした星雲状の所が「雲紋」なのだろう.こちらも大きめで黒くて見栄えのいい蛾.
ツマキシロナミシャク*2.編み目模様の不明シャクガ,未同定フォルダ(´ー`)/~~.
※追記(7/28):ハスオビマドガと判明.
キスジホソマダラは撮影上は初見だが,痛んでいた.もっとピカピカのが見つかったら貼り.
<馬場駐車場>
ここにはクワ採りが来ていない.
掲示板.これでベニコケガの主力3種がそろった.
ハガタベニコケガ.この蛾は「みんな蛾」に初めて掲載してもらった記念すべき種でもある.
比較のため,ゴマダラベニコケガ(左),ベニヘリコケガ(右)を再掲.
昨夜(7月25日)撮影.同じようなものといえばその通りである.
不明ヤガ*1,未同定フォルダ(*^ー゚)/~~.
付記(07/4/15):モンキアカガネヨトウ.
ベニスズメ.ルリモンシャチホコ.
乗馬小屋のあたりでミヤマクワガタ♀*2.放置.
<再び温泉看板>
ふたたびクワガタの♀を人身御供に.ところが母親は隣にいるエゾシモフリスズメが怖いらしい.なるほど,そんなものなのだな.しかたないので,拾って渡す.さっさとお帰り下さいい.
不明ヤガ(ごつい)(追記:アオケンモン),不明ハマキガ(赤丸),
※ニセハギカギバヒメハマキ.
不明シャクガ(白ばっか)未同定フォルダ(・∀・)/~~.
※ミスジシロエダシャク.
<コンビニ>
店の前で若い男女が数名,何か相談している.もう22時近いのに,錦大沼公園に遊びに行くらしい.おまいらはどーせゴミ散らかすしか能がないだろうから行くな.ニャントロ星人狩りなら個人的には可.
ここで初見のアトヘリアオシャク 発見(*゚Д゚) ムホムホ.返す返すもコンビニの集虫力はすさまじい.若者にかまわず撮影.
画像は「アオシャク小特集」の時に乞うご期待.