ルリボシヤンマ.ノコメセダカヨトウ.
<9月12日>
というわけで,同僚がトンボの死骸を持って,わたしのいる別室(隔離部屋ともいう)にやってきた.ある種の同僚は,わたしが虫を撮っているのを知っているのである.会議室に落ちていたという.
もちろん礼を言ってありがたく受領する.社内で虫の死骸をもらって喜んだり,その死骸を机の引き出しにしまい込んだりするのはわたしだけである.
仕事を一段落させて,さっそく撮影会.リコーのコンデジ(職場常備用)による.ディフーザー(ティッシュペーパー)使用.
ルリボシヤンマのように思える.
部屋のゴムノキの鉢に埋葬.
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<9月13日>
大部屋にもわたしの机がある.上翅でなくて上司からの仕事関係の書類はそこに置かれるが,わたしの仕事が遅いのでどんどん積み上がっていく.最近は大部屋に近づかぬが吉と思うようになった.
久しぶりに大部屋のデスクを訪問すると,足元に蛾の死体.さっそく拾い上げて引き出しにしまう.こう書くと,人はわたしの机の中は虫の死骸でぎっしりのように思うかもしれないが,それは誤りである.書けないボールペンやばらばらのクリップやラジオペンチや洗濯洗剤だって入っている.何の仕事をしているのかというツッコミはなし.
昼休み,人目のないところで撮り.
大きい.前翅長25mm.おそらくノコメセダカヨトウ.発生時期はもっと夏のようであるが,いつ死んだものかは分からない.死んでいるとはいえ,初見である.
学名は Orthogonia sera .属名「長方形」,小種名「遅れた」.
これもゴムノキの鉢へ.こう書くと,人はゴムノキの樹の下には虫の死体だらけのように思うかもしれないが,それは当たらずとも遠からずである.