キイロキリガ.トビケラの類.オオバシマメイガ.キマダラオオナミシャク.クワコ.

 会議は続く.わたしは出席していてもほとんど何の足しにもならないのだが,存在している必要だけがあるらしい.会議終了後,急ぎの稟議.わたしの人格はハンコに等しい.
 かくして定時退社失敗.


 それでも何とか8時出撃.

 すっかり常連.
キイロキリガ
 キイロキリガ.15mm.
 昨年は全く見かけなかった蛾で,今年になって頻繁に出てくる種が幾つかある.昨年見落としていたとは考えにくい.年による発生むらだと思われる.

 トビケラも大きいものはほとんどいない.
トビケラ
 これは翅長15mm.大きい部類である.
 トビケラ(毛翅目)は分類学上,鱗翅目の手前にくる種類で遠目には蛾によく似ているが,アップするとやっぱり全然違う.

 この夜は初物は見つけられなかった.
オオバシマメイガ
 オオバシマメイガ.あらためて見るとなかなか良い蛾である.
 学名は Herculia orthogramma .属名は「ヘラクレス」.他のメイガと比べれば,確かにそうだろう.小種名は「真っ直ぐの+書かれたもの」.翅の線だろうか.


 覚生川通りへ.

 高いところに,もうオフかと思っていた蛾.
キマダラオオナミシャク
 キマダラオオナミシャク
 学名は Gandaritis fixseni .属名は「ガンダーラのもの」.古代インドだな.属名の命名者のMooreは『蝶の学名』(平嶋義宏,九大出版会)によれば,サンスクリット由来の蝶の学名を多くものしている(p.331)という.小種名は「フィクセンの」.学者の名前である.

 まだいるクワコ.食傷気味なので後ろから.
クワコ
 21mm.相変わらず妙なスタイルの蛾.
 学名は Bombyx mandarina .属名のボンビックスは要するに「カイコ」のこと.小種名の「マンダリン」はネットで検索すると風俗店や料理店やホテルが次々ヒットするが,もともとは中国の高級官吏をさす言葉らしい(Wikipediaマンダリン」参照).
クワコ
 そう言われれば,高そうな中国服を着た肥った役人に見えないこともない.これからはそういう目でこの蛾を見ることにしよう.