『ポントルモの日記』.「今日の早川さん」.
身心の不調.昼で早退した.早引きばかりで年次有給休暇を使い切るかもしれない.頑張れないものは仕方ない.こういう時に布団の中で読める本はあまり多くない.もともと小説は『死霊』を最後に読んでいない.
『ポントルモの日記』を繰り返し読む.1行ほどの食事の記録ばかりなので,どこからでも読める.「頭をやった」と仕事の経過が書かれた日は食事のことさえ消える.1日が1行の断片に還元される.
もちろん画家は日々に多くのことを,様々な日々の事柄をなしているに違いない.書き付けられるのは食事,健康状態,食事のことが書かれていないときは仕事,ほんのたまさかに「家賃を持っていった」などの出来事.
「日記」の魅惑は,書かれていないことは存在していないことにある.わたしもまた,書き付けていることば以上には生きるつもりはない.こちら側で生きるつもりを失ったのが20年前で,それを忘れた時にわたしはどうしようもなく間違える.
でも頭が鈍っている.眠り込んだり,目覚めたり,仕事の夢を見たり.そういう1日.
そういえば,最近リンクしていただいたCOCOさんのところ(「coco's bloblog」)の漫画に,カメラを向けている虫(ハナアブっぽい)に「はーい/そのままー」と話しかけている場面があった.ちょっとした衝撃を受けた.
わたしには全く思い浮かばない.
わたしはただピントを追いかけているだけ.構図もほとんど考えていない.
暗がりの中で撮っているからだろうか.わたしにとって,ディスプレイに浮かび上がって被写体は初めてその姿を現す.それまでは何も見えていない.
(いいことではないような気がする.でもできることをやるしかない).
今日はお蔵出しはなしの方針で.そういう陽気じゃないんで.