マイマイガの検疫.

 15日のコメント欄に「カラス」のブトボソさんが,

マイマイガがバルコニーの箱の中で産卵しておりました。(^^;
春になったら卵塊ごと移動してあげないと、バルコニーで孵化してしまったら大変ですね。(^^;

との書き込み.マイマイガはどこにでも産卵してしまうので大変である.これでいいのだろうかとこちらが心配するところにまで産んでいる.駐車場の路面で産卵しているのを見たことさえある.


 物事はシンクロするもので,新聞にマイマイガが取り上げられていた.
 北海道新聞,11月17日朝刊,「苫小牧・日高」面

 「北米航路 脅かす害虫」 マイマイガの駆除作業開始
苫小牧港の港湾関係者が十六日,米国,カナダ両政府が森林害虫として侵入を警戒するアジア型マイマイガの駆除作業に着手した.
同日は苫小牧港管理組合をはじめ,港湾関係者ら約三十人が,苫小牧港から約一キロの市民文化公園(末広町三)で,樹木に産み付けられたマイマイガの卵塊を探し出し,計四十三個を除去した.
(…)
米国,カナダ両政府によってマイマイガの生息数が多い「ハイリスク港」に指定されると「不在証明書」の発行など煩雑な手続きが必要になり,北米航路に影響が出る可能性がある.
同管理組合は「指定を避けるため,何としても駆除しなければ」と危機感を募らせている.

 うーん,外来生物問題だあ.わたしには論じる◇がなさそうなテーマ.


 ググってみると「農林水産省」の縄張りである.
 通達としては「植物検疫に関する情報米国及びカナダにおけるアジア型マイマイガ侵入防止のための船舶検査の導入について」.
 なるほど「AGM」なんだな.略語化してしまうと邪悪な生命体のようなイメージになる.
 「植物検疫に関する国際的な動き」では「マイマイガの検疫のために中古車などの検疫も実施」とある.確かに中古車にだって彼らは産卵するに違いない.実際に中古車に卵が見つかったのだろう.でもそんなこと始めたら外に積んである物すべてが対象になりかねない.


 デイリー東北新聞社記者リポート(2007/07/21) 八戸港のマイマイガ対策」では,実際に「ハイリスク港」になってしまった八戸港の様子が述べられている.
 農薬も使われているようだ.仕方ないのかもしれないが,多くの生物に悪影響がでるだろうなあ.
 苫小牧では「公園」だから,きっと大規模な農薬散布は行われないと思う.
 ところで,あの公園は,それほど虫には富んでいない片寄った環境であるという感じを持っている.八戸はどうだか知らないが,街中の緑はしばしば片寄った生物環境になっているのでは.
 もっと本格的に植物相が豊かなら天敵も多くなってAGMも抑制されるに違いないのだがねえ.
 でも公園に来る人も,その多くは虫嫌いなんだろうな.家から出なければいいのに.