岩手県でのマイマイガの大発生報道

 「マイマイガ 駆除」等での検索アクセスが連日続いている.アクセス元がどうも岩手である.
 苫小牧や八戸の港であれこれしているのは知っている.例えば『Web東奥・ニュース』.

マイマイガで北米航路今夏も休止
 八戸港の北米コンテナ航路が、昨年に続いて七月中旬から約二カ月半、寄港休止になる見通しだ。米国とカナダが、森林破壊につながる害虫・マイマイガの生息数が多い−として同港を含む全国六港を「ハイリスク」港に指定しているため。県や海事関係会社が港周辺で駆除に努めているが、夏場の寄港再開は早くても来年以降になるという。
 (「Web東奥・ニュース」4月18日)※リンク切れ

 今年もそういうことらしい.


 さて岩手.「岩手 マイマイガ」で検索.あー,これだ.『岩手日報』.消える恐れが高いので長いのだが引用.

ガの幼虫が異常発生 葛巻や九戸で対策急ぐ
 県北地方でガの幼虫が異常発生している。昨夏、大量発生したマイマイガなどが産み付けた卵が一斉にかえっているとみられ、肌に触れると赤い発疹(ほっしん)が出てかゆさを伴う場合もある。葛巻町は10日、町が薬剤を用意して自治会ごとに散布する「官民協働」で駆除を行う。九戸村も緊急に助成金を出して対策を急いでいる。
 二戸農業改良普及センターなどによると、発生しているのはマイマイガやカシワマイマイの幼虫。昨年7、8月、県北地方でかつてない大発生となった。体長6センチほどで白い羽が特徴だ。
 葛巻町では昨夏、街灯の下などに死骸(しがい)が目立ち、悪臭を放った。建物の外壁などに指先大の白い卵が産み付けられていたが、5月に入ってかえり始めた。数ミリほどの幼虫は糸を出して宙を飛ぶように移動するときもある。
 町農林環境エネルギー課には相談や、このまま成長して2年連続でガが大発生することを懸念する声が寄せられたため、自治会の代表らを交えた緊急会議を開催。10日は中心部の7自治会が住宅や店舗の外壁に付いている幼虫に防疫薬剤を散布する。
 補正予算を組む必要もありそうな事態に、同課の入月俊昭課長は「昨年夏の再来は避けたいので、幼虫のうちにたたきたい。異常発生というしかない状況だ」と頭を抱える。
 九戸村の中心部では街路樹や植木にも卵が目立ち、地域住民の悩みは深刻。村は助成金の導入を緊急に決め、村公衆衛生組合連合会(沢義一会長)を通じて薬剤が各戸に配られた。農作物への影響などで殺虫剤を使えない場所もあり、放水したり掃除機で吸い込むなど応急措置を迫られる住民も多い。
 (「岩手日報」5月10日)※リンク切れ

 なるほど.こちらも大変であるらしい.もともとが環境のバランスの乱れを敏感に反映して大発生しやすい蛾であるようだ.
 個人的には2年続きということはないと思う.もともと幼虫の歩留まりのいい昆虫ではない.薬剤をまいたりすると,天敵である鳥やネズミに影響して,かえって大発生の周期が短くなる結果になりはしないか.
 せめて「手仕事で除去」といかないものだろうか.現場では大変なのはわかるのだが.
 そもそも,卵塊のうちに対策しておけば,市街地では問題にならなかったはずだ.


 マイマイガはどの地域でも大発生の危険をはらむ.今回の出来事が単なる害虫駆除の視点からではなく,環境について考える材料として捉えられることを期待する.


※今日の虫画像については明日更新.