ハネモンリンガ.ヨツメエダシャク.ウスバミスジエダシャク.ヒトテントガリバ.ウラジロアツバ.コマバシロコブガ.クロスジアツバ.アオジョウカイ.
というわけで,何でもかんでもは撮らないことに決めた.時間も体力も続かない.わたしは早く寝たいのである.何とか10時前には蛾撮りを終えたい.
気温16℃.今にも降り出しそうな感じ.
錦大沼公園駐車場.
トイレの壁にハネモンリンガ.2枚撮ったところで逃走.
この個体はまだ「巻き」が甘い.もっと翅がロールして細長いのがデフォルトである.おかげで初めての時は何の蛾だか見当もつかなかった.
わたしが「ハネモンリンガ」を教えてもらった次第は,昨年の6月20記事に詳しい.
初見の蛾だが,図鑑で記憶があった.
ヨツメエダシャク.29mm.舗石に対して完全に保護色になってしまっていて,どこまでが蛾なのか目では分からなかった.画像で見ても不明瞭.踏みそうである.
学名は Ophthalmitis albosignaria albosignaria .
属名はそのまま解釈すれば「眼のある」だが,この語は医学用語では「結膜炎」をさす.後者のつもりの命名なら面白い.
種小名・亜種名は「白いしるしのある」.
・アイドリング中のハネナガブドウスズメ.翅をかなりの間震わせていたが,気がつくといなくなっていた.大き目の蛾はアイドリング時間も馬鹿にならない.
・シロケンモン(19mm).キハダケンモン(21mm).
・オナガミズアオ(58mm).
・アカハラゴマダラヒトリ.ここらはカウントダウン撮り.
アルテン馬場駐車場.
そろそろ夏のシャクガ類を何とか同定しておかないと未同定画像とストレスが溜まるぞ,ということで.
21mm.おそらくヨモギエダシャク.個体変異の大きい種で,しかも地味でどうしようもない.翅が他の類似エダシャクより細長く,なれた人なら何となく分かるらしいがわたしには分からない.前翅後翅に紋が見えるのでヨモギだと判断した次第.
※蛾LOVEさんからありがたいコメント.「触角がふさふさなので違う.ウスバミスジエダシャクであろう」とのこと.感謝.
ウスバミスジエダシャクがもう出ているということは,不明組の多くはウスバミスジの可能性がある.ストック画像の見直しが必要.
・ヨモギではない21mmの「不明シャクガ」.
昨夜に続いてヒトテントガリバ.18mm.
寒地性の蛾.今年は早春のミスジから始まって,トガリバガのストックをずいぶん増やすことができた.
学名は Tetheella fluctuosa isshikii .
属名はTetheaに縮小辞がついたものだから「小さなテテア」.Tetheaとはオオバトガリバなどの属名である.確かに小振りではある.ところで,じゃあTetheaはと言えば,ギリシア語の「ホヤ」とか「カイメン」とか,要するに海のあの連中を示すtethosからだと思われる.
種小名は「波の多い」,亜種名は昆虫学者の一色氏に献じられたものだろう.
・ハンノトビスジエダシャク(15mm).
エダシャクばかりではなく,そろそろ小型アツバ類も同定しておかねばならない.
もたもたしているとノメイガが出てくる.そっちの方が5倍キツイ.
11mm.ウラジロアツバ.
学名は Zanclognatha violacealis .
何だか厳めしい属名だが,平嶋『生物学名辞典』に出ていた.「鎌+顎」とのこと.画像では分かりにくいが,反り返った下唇鬚からの命名だろう.
種小名は「すみれ色をした」.
アルテン温泉看板
初見ではないはずだが,記録がない.
コマバシロコブガ.13mm.
講談社『大図鑑』をひもとくと,この蛾はかつては交尾器の形がコブガと違うということで,ヤガ科キノカワガ亜科に分類され「コマバシロキノカワガ」と名づけられていた.ところが発見された幼虫がコブガ科の特徴を示しているためにどうも怪しいということになっていた.
『大図鑑』の「キノカワガ亜科」の概説から.( )は引用者による補足である.本亜科(キノカワガ亜科)と Nolidae コブガ科との類縁関係についてはしばしば示唆されているところで,Nolathripa(コマバシロコブガの属)はその中間的なモザイクである.(p.791)
それでどうなったかと言うと,要するに抜本的改革が行われる.一体,ヤガ科の周辺部は素人には奇々怪々なのである.これからもどうなるか予断を許さない.
結局,神保宇嗣「日本産蛾類総目録」の「新体系」によれば,ヤガ科キノカワガ亜科の蛾自体がコブガ科に編入させられ,更にこの「コマバシロキノカワガ」はキノカワガから手を切ってコブガ亜科へと移動,「コマバシロコブガ」とめでたく改名した次第である.
学名については後日に.
アツバのその2.
前横線が横一文字,サイズが12mm.これはクロスジアツバである.
ブログを検索すると初見ではなかった.さっきと逆に,記録があっても記憶がない例.
・ホソバナミシャク,ツトガの類,ヒロオビウスグロアツバ,撮らず.
・クモ2種.1頭はエビグモ系,もう1頭はオオハエトリの3mmくらいの.